福西です。最近は確率から問題を出しています。
9枚のパネルがあります。あたりが8枚、はずれが1枚です。あたりをめくると、残ったパネルで連続してチャレンジできます。
あたりは1万円からスタートして倍々になり、はずれが出ると0円になります。はずれ以外のあたりをすべてめくった場合(パーフェクト)は200万円とします。
さて、パーフェクトの確率はいくらでしょうか?
まずは感覚的に掴んでもらうために、実際にチャレンジしてもらいました。
24回の試行中、15回目と20回目、21回目にパーフェクトが出ました。
次に、「途中で降りてもよい」というルールで、生徒3人で総額の勝負をしました。3回戦して、H君が201万円、T君が200万円、Y君が0円という結果でした。
ここまででだいたい30分。
その後で、確率を計算してもらいました。
1枚目ではずれが出る確率は、9枚中1枚をひくことになるので、
1/9
です。
ということは、1枚目であたりが出る確率は、
8/9
です。
では、「1枚目があたりで、2枚目もあたり」の確率は、どうなるでしょうか?
それを考える前に、サイコロを2回振って2回とも6が出る確率が1/6×1/6=1/36であることを説明しました。
つまり二つの(独立な)出来事が起こる確率は、それぞれの確率のかけ算になります。
これを踏まえた後で、次のように考えていきました。
まず、2枚目の状況だけを取り出し、その確率がいくらかを考えます。
生徒たちはしばらく考えたのち、最初の1枚が減っていることから、
8枚中7枚のあたりを引く確率だと分かりました。
つまり、2枚目についてのあたりの確率は、
7/8
と分かりました。
加えて、1枚目があたりの確率は、8/9です。
ということは、1枚目も2枚目もあたりの確率は、
8/9×7/8
で計算できます。
この分数が面白い形をしていることに、生徒たちはすぐに気付きました。
計算すると、8が分子分母で相殺されて、
7/9となります。
以降、同様に考えればいいことを納得してくれました。
ここで、質問の仕方を変えました。
1枚目ではずれが出る確率と、パーフェクトの確率は、どちらが大きいでしょうか?
1枚目ではずれが出る確率は1/9だということは分かっています。ということはパーフェクトの確率がそれよりも大きいか小さいかということになります。
生徒たちの予想では、「パーフェクトの方がやや出やすい」ということでした。
さて、引き続き、「3枚連続であたり」の確率を計算します。
8/9×7/8×6/7=6/9。
4枚連続であたりの確率も、同様に計算します。
8/9×7/8×6/7×5/6=5/9。
ここで、生徒たちは
「分子だけが1ずつ減っている」
ことに気づきました。
ということは、
「4/9、3/9、2/9となっていくであろう」
と。
このあたりは分数の計算練習でした。そうなっていることを手で確かめました。
そして、最後に、8枚連続であたりである確率は、
「1/9」
と分かりました。
ということで、9枚のパネルで1回目ではずれを引く確率も、8枚すべてをあてる確率も、
実は同じ1/9
という確率だということが分かりました。
案外これは直感を裏切る結論だったのではないかと思います。