浅野です。
Sさんは学校の予習として、英語の本文の和訳をいつもきちんとしています。時間と辞書さえあればほとんど自力でできるほどに理解しているので、語彙を増やすと楽に長文を読めるようになるのではないかと前回の記事に書きました。
今回は珍しく構文を取りづらいと質問してくれた箇所がありました。その文は
Let the freedom ring at the hill.
といったものです。何らかの演説の一節でしょうか。
これは構文に詩的な表現も相まってなかなか手強いですね。Sさんはこのletが嫌だと、そこまで気づいていました。
そう、このletが曲者で、let+O+動詞の原形で「Oが~するのを許す」となる、使役動詞なのです。このように動詞の原形を取るような使役動詞は全部で4つしかなく、残りはそれぞれmake+O+原形で「Oに~させる」、have+O+原形で「Oに~してもらう」、help+O+(to)+原形で「Oが~するのを助ける」です。再三繰り返しておりますように、とにかく動詞を探すのが英語の鉄則なので、使役動詞があると動詞が2つあるように見えて混乱するのです。
さて、それでは上記の例文の訳を考えましょう。直訳すると、
「自由がその丘で鳴るのを許せ。」
くらいでしょうか。さすがにぎこちないので意訳すると、
「自由の鐘の音をその丘で鳴り響かそう。」
くらいでしょうか。前後関係が不明なのでこの訳がふさわしいかどうかは自信ありませんが。
実際の英文ではこのように難しい構文もありますが、ある程度英語に親しんでいると、何となく怪しいところがわかるようになるものです。その点、letに注目したSさんは大したものです。
>そう、このletが曲者
本当にそうですね。短い例文では Let it be. もありますね。先生がかかれているように、基礎をしっかり学んだSさんは、理解できるところとできないところの区別がきちんとつけられるようになった、と言えるのでしょう。