『しぜん』(B2・C2)(クラス便り2015年11月)

山びこ通信2015年度秋学期号より下記の記事を転載致します。

『しぜん』(B2・C2)

担当 小坂 諒

【B2クラス】
木にロープを引っ掛けてブランコをつくる。文章だと非常に簡単です。実際にやるのも簡単かというと全く違いました。まず、ちょうどいい木が見当たりません。あったとしても頼りなかったり、よく見ると倒木だったり。そのうち、Y字に分かれた木が2本あれば、間にブランコを吊るせないかと探す木を変えていき、そして無事ブランコは完成しました。でも、2本の木を使ってぶら下がるといえばハンモックがあるじゃないかと、次の回ではシーツを使ったハンモックにしてみました。横に突き出た太い枝を探すよりも、ちょうどいい間隔で生えている2本の木を探すのでは、結果はほぼ同じなのに後者の方が圧倒的に簡単で、より多くの時間遊ぶことができました。少し見方を変えるだけで簡単になるという実生活にも言えることも自然は教えてくれます。生徒さん達には今は全力で遊んでもらい、大人になってから「そういえば昔あんなことがあったな」と実感してもらいたいです。
sizenB2 2015-11-17 20.28.31

【C2クラス】
捕まえた沢蟹を素揚げで食べたり、拾った栗を茹でて食べたり、少ないマッチで火を起こしたり、薪を鉈で割ってみたり、急な坂を登って一気に滑ってみたり、ヤモリを捕まえたり…そんなことを山でしていると90分はほんの一瞬のように過ぎていってしまいます。いつも授業終わりは「もう終わり?」となって、次の授業では「今日もあれをやろう!」と言われて、同じ内容の授業になってしまうかと思いきや、見たことのない生き物を見つけたり、新しい遊びを考えついたり、全く似たような内容になることは意外と少ないものです。
sizenC2 2015-11-17 20.29.41

この授業で靴も服も汚れずに帰ることはまずありませんが、川で濡れた靴の感覚や、煙で痛む目の感覚や、ついさっき拾った栗の味も同時に思い出として持ち帰ってもらうためには、汚れなんて些細なことです。いつか生徒さん達が大人になり煙臭くなった服の匂いを嗅いで、ふとこの授業を思い出し、次の世代にも同じような経験をさせてくれれば幸いです。