『つくる』(1〜2年・2〜4年)(クラス便り2015年11月)

山びこ通信2015年度秋学期号より下記の記事を転載致します。

『つくる』(1〜2年・2〜4年)

担当 小坂 諒

tsukurutei2015-11-17 18.54.34 1~2年生のクラスでは、木工がメインです。いつも時間ギリギリまで作っています。隔週なので、次回の授業に持ち越すような制作では、次に来た時はまた別のものを作りたくなっているかもしれませんので、1回の授業で完成させれるものをメインに制作しています。材料があってノコギリと電動ドライバさえあれば、作ろうと思えば意外となんでも作れてしまうものです。しかし、それだけではあまり楽しくないでしょう。ネジを隠してみたり、紙やすりで表面を滑らかにしてみたり、好きな色に塗ってみたりと、似たようなものでも方向性を変えるだけで全く違った作品に仕上がるのが木工の面白い部分です。

 また、ノコギリで木を切るのは単純なことですが、簡単なことではありません。しかし、ノコギリはほぼ毎回使っています。まず線を引き、しっかり材料を押さえ、刃を同じ角度に保ち、最後まで気を抜かずに使わないと、絶対に上手く切れないノコギリのルールは、どんな道具でも応用できるルールだからです。ノコギリを上手く扱えるけど他は上手く扱えないという人はいないでしょう。この大事なルールを「つくる」ことを通して学んでいきます。

tsukuruchu2015-11-17 18.54.58 うってかわって2~4年生のクラスでは、授業前半に制作、授業後半はプレイルームや園庭で作ったものを使って思いっきり遊ぶというのがお馴染みのパターンになっています。もちろん手作りのおもちゃを使って遊ぶので、遊んでいるうちに不具合が出てきます。しかし、そこからがこの授業のおもしろい部分だと思っています。飛行機で遊んでいる写真からもわかるように、授業の終盤になってくると、みんなのおもちゃはガムテープで補強されていることがほとんどです。補強だけでなく、生徒さんの思いつきで尾翼を増やしてみたり、どんどん改造していきます。遊ぶ時間が減ってしまうと困るので、あまり見た目の綺麗さは気にしません。改造が醍醐味ですから、ガムテープ、輪ゴム、グルーガンはこの授業の三種の神器と言えるでしょう。
 こんな授業が何回も続いていると、クロスボウを作った回の授業では遊ぶ前から「先生、ここ弱そうだから補強しよう」といった具合に、私も気付かないことを指摘してくれることもあります。「つくる」ことが上手くなれば「あそぶ」ことも上手くなると思います。この授業では両方に全力で取り組んでもらっています。