山びこ通信2015年度秋学期号より下記の記事を転載致します。
『ことば』(2年)『ことば』(2〜4年)
担当 福西 亮馬
水曜日の2年生クラスでは、漢字の興味を引き出そうとしています。生徒たちは、画数の多いものを探したり、調べたことを書いた画用紙を壁に貼って、人に見てもらうことを意識したり、自分の知っている漢字を繰り返し書き綴ってくれました。特に自分の名前に使われている漢字には誇りを持っているようです。その光景は今の時期に特有のものだろうと思います。大事にしたいです。
最近では、なりたちの形の漢字で、私が文章を作成し、生徒たちにそれの暗号解読を楽しんでもらっています。なりたち辞典をそばに置いて、「学」の中には「子」がいることや、「直」の中には「目」があることなど、よくよく見ると、色々な発見があります。
本読みでは、『液体インベーダー』(R.M.ファーリー著、福島正実訳、国土社)を読み始めました。この本は少年少女向けのSF作品です。私から2年生、3年生にお勧めできる、とっておきの一冊です。ぜひ一緒に「知能を持った液体」の恐怖と友情の物語を味わいましょう。
火曜日の2~4年生クラスでは、作文やお話作り、俳句作りといった、表現に対する興味を引き出そうとしています。そのために教室の外へ出る機会を持ちました。特に俳句では、季語は念頭に置きながらも、それに縛られて書き始めるのではいささかつまらなくなります。後になってみればそれが季語だったというような、観念に先がけてしみじみと出て行くものを一句でも多く書き残してほしいと願っています。当時の自分の見た情景や心の動きを憶えている文字や絵は、貴重な思い出の糧になります。
秋学期は、俳句を紹介する頻度が増えましたが、これまで通り、百人一首の暗唱も着かず離れずで続けています。昨年度に二十二首、今年度は今の時点で十首、合わせて三十首ちょっとしてきました。数が増えてきた分、おさらいをすることも増えてきました。またその動機づけに、かるた大会をしたいと考えています。
本読みでは、落語の絵本など、滑稽なものを読んできました。最近では秋を探しに山の中に出かけるつながりで、やまんばの出てくるような怖目の昔話や伝説を選ぶことにしています。それがお話作りの栄養にもなってくれれば幸いです。
行く秋や ぽたりと覘く 窯の姥