『かず』(1年・2年A・5〜6年)(クラス便り2015年11月)

山びこ通信2015年度秋学期号より下記の記事を転載致します。

『かず』(1年)『かず』(2年A)『かず』(5〜6年)

担当 福西亮馬

 水曜日の1年生クラスと、火曜日の2年生クラスでは、学校の補いとなるプリントと、頭の体操となる問題を混ぜて取り組んでいます。後者は、間違いさがしや迷路、足し算パズルといった定番の他に、私がルールをアレンジしたゲームや、一問でも解けたらその日は大いに「やったあ!」と思ってくれるようなパズル問題です。

とりわけパズルでは、生徒たちは、問題一つ一つに対して、これまで以上に柔軟な考え方を迫られることがしばしばです。そのような時に、生徒たちは、ねばり強く腰を据えたり、パターンで読み解いたりすることの楽しさを、徐々にですが、味わっています。それが何らかの良い思い出を形成してくれることが、このクラスでの目的です。

一方、生徒たちは、「学校で今日、こんなことをした!」「足し算じゃなくて、引き算もしたい!」といったことを、よく言います。その意見をもとにして、「それじゃあ……」ということで問題を作ると(一番効果があるのは即興です)、生徒たちのテンションはたいてい上がります。そうやって、学校で習ったことの定着具合を見ています。「算数は、それを付き合ってくれた人との思い出」だと私は考えています。それなので、この時期は、そうしたキャッチボールを楽しむことが、何より先だと思います。

金曜日の5~6年生クラスでは、隔週で論理パズルをしています。「もし~なら」「なぜなら……」と、白紙に向かって、自分の頭の中の筋道を書き出します。それは、スポーツで全身の筋肉を使うのと同じで、大変負荷のかかることです。

そこで、私が特に生徒たちに身に着けてほしいと考えていることがあります。それは、書き出しに、「もし」という仮定の言葉を使うことです。それは、問題を分析するための常套手段です。もしそれをためらわずに使えるようになれば、しめたものです。思考の無駄をなくし、煩雑な状況の場合分けに今以上に強くなれます。おそらくそれは、文系・理系を問わず、インナー・マッスルのような部分を鍛えていることなのだろうと私は思います。

さて、最近では、何事も物語仕立てにすると面白いことを発見しました。それで、今までの無味乾燥だった問題文を工夫して、一問完結ではなくて、あたかも迷宮の奥へと突き進むような、続き物の冒険譚にしてみました。(文章題でもそうなのですが、算数には想像力が必要だと思います)。果たしてその奥には、一体何が待っているのでしょうか……?

ぜひその体験を、これからの自信にもつなげてほしいと思います。