山びこ通信2015年度秋学期号より下記の記事を転載致します。
『新約ギリシャ語初級』
担当 堀川宏
このクラスは昨年12月から始まりました。土岐建治『新約聖書ギリシア語初歩』(教文館)を使った基本文法の学習をひと通り終えて、今学期から新約聖書の本文(マタイによる福音書)を読みはじめています。辞書はおもに簡便な織田昭『新約聖書ギリシア語小辞典』(教文館)を使い、上記の教科書で基本的な文法を確認しながら、まずは1回の授業で1節ほどのゆっくりしたペースで少しずつ本文を読み進めています。
まとまった文章を読んでゆくことには、教科書の練習問題を解くのとはまた違った難しさがあります。教科書の練習問題では課題文のポイント(その課での学習事項)が明確ですが、原文講読になるとそれぞれの文が持つ文法的な特徴を自力でつかむことが必要になります。また、辞書や教科書といった道具を効果的に使えるようになるのにも、それなりの練習が必要です。これらの課題を克服することが当面の課題です。
以上のことに留意しつつ、授業ではなるべく聖書本文のギリシャ語そのものと向き合うことを重視しています。
予習では翻訳もおおいに参考にしてもらっていますが、目の前にあるギリシャ語がなぜそのような意味になるのか。あるいは翻訳することで抜け落ちてしまっているニュアンスなどはないか。それらを吟味しながら進んでいます。毎回ちょっとした発見があり、原文講読の楽しさを受講生とともに私も実感しています。
このようなことに興味のある方は、途中からでも構いませんので、ぜひご参加下さればと思います。