浅野です。
3章の終わりまで読んでいよいよLotzeの矛盾とDeweyの立場がはっきりとしてきました。
Lotzeの矛盾は、思考に先立つものを想定しながら、思考をベースとしてそのものの真偽(一貫しているか偶然の一致か)を想定するという矛盾です。それに対してDeweyは思考に先立つ経験はそれ自体で真であったり偽であったりするのではなく、他の経験と両立しなくなって初めて思考によってより大きな経験へと統合されると主張します。例えば、太陽が東から上って西へ沈むのという経験そのものは真でも偽でもなく、それから太陽が動いているというのは偽であるとわざわざ主張することはないのだと私は理解しました。