福西です。
Yta君は、比の条件から1次方程式を組み立てる問題に入りました。
a:b=x:y⇔bx=ay
という、いわゆる「内項・外項」の関係式です。
式の変形では、移項する際に符号が変化することと、2(x-1)=2x-2といった分配法則が、Yta君は得意そうで、それを足掛かりにしてくれていました。「分配法則か」と自分でよく言っていました。
分数の処理の際に、x/3-x/2=1のような問題では、左辺を6倍するのはいいとして、右辺にも6をかけることを忘れがちです。そこをいつも気を付けてください。
Syaちゃんは、1次不等式の勉強に入りました。Syaちゃんは不等式の向きが、「-」の有無でその都度変わる規則を、すでに自分で練習して習得していました。
これまでしてきた等式も、もちろん重要なのですが、不等式は応用の広さを考えると、むしろ一層重要かもしれません。x=1は解が1個ですが、0<x<1はその中に解が無限個あることで、式の意味がすっかり異なります。「等式と似てるから」と思って教科書を流し読みすると、いつの間にか足元をすくわれることになる典型的な難所なのです。それなので、等式の理解で止まってしまわないように、注意深く勉強を進めてほしいとアドバイスしました。
展望としては、このあたりに得意が意識できると、値域と定義域に対する反省から「関数」をより深く理解したり、高校で「集合」や「必要十分条件」のあたりの勉強の土台になります。数学の勉強でその後もずっとアドバンテージがつくでしょう。
Ywa君とは、代数の方は、平方完成の練習問題と、2次方程式の解の公式の導出を見ました。
平方完成は、表面的にはテクニックとも言えますが、深いところでは2次形式といわれる数学での最適化問題など、「2乗が作る数学」に触れる部分でもあります。
今回は解の公式の導出のためにプリントを用意しましたが、1次の項の係数を「1/2」にして平方完成するのは、「2次」方程式の話だからです。(3次なら1/3)。2と1/2の関係を密にする経験は、今後ますます理解の土台になっていくでしょう。
また、解の公式のルートの中になぜ4acの4という数字が出てくるのか、その納得の源泉ともなっています。そのついでとして、ルートのおさらいもしました。
幾何の方は、円の半径がすべて同じであることを出発点として、円内に二等辺三角形が作れること、それを使って、正三角形の作図の証明など、種々の証明ができることを、いくつか自力で証明してもらいました。Ywa君には、自分の力に自信を持ってもらえれば、鬼に金棒だと思います。
Ywa君の学校の教科書は、「円の傍心」が載っていたり、高校の範囲まで非常に熱心に進んでいることが見て取れます。(代数の方も同様)。そこで、Ywa君は学校がどんどん先へ進んでいってしまうことに、やや不安を感じているようです。ただ、Ywa君がそれを言い訳にせずに、自分で「克服したい」と言っていることが「すべて」です。私はそれを応援したいと思います。
現実的な日々の対処法としては、「型にはめる」「型を使える」ような(つまり演繹的な)取り組みを増やすことですが、時々は、今日したように、「型を思い出す」(学校の黒板でノートに取った内容を自分がすっかり再現できる)ことが、自力の再確認でもあり、より加速する道だろうと思います。
この日も80分があっという間にすぎました。3人とも粛々と机に向かっています。取り組む姿勢に油断が見られないことには、いつも私の方が圧倒されます。お家でもぜひその調子で継続してください。
一般に数学が苦手になってしまう傾向は、一方では「空威張りをして現状の実力を見ない」ことと、もう一方は「実力とかけ離れた難しい問題ばかりさせられてすっかり自信を無くしてしまう」ことの二つが挙げられます。その中間を行くことを、サポートできたらと思います。