中学・高校数学B(2015/6/25)(その1)

福西です。
Y君は「正負の演算」から「文字式の処理」に入りました。a×2を2aと表したり、円の面積をπr2と表したりするところです。

「15分でykm進む時の時速」

これを文字式に表す問題では、

15分=1/4時間

とまず翻訳します。

次が問題です。

y×1/4とするのが正解でしょうか。それとも、y÷1/4とするのがいいのでしょうか。

速度というのは、平均や変化率(単位量あたり)のことです。そのため、必然的に割り算が要請されます。

「距離(km)」を実際にかかった「時(h)」で割ることで、1時間あたりに進む距離が出てきます。これが時速(km/h)です。

つまり、

y(km)÷1/4(h)

=4y(km/h)

とするのが正解となります。

Y君はここで、いわゆる「はじき」を使っていなかったので、私もそれでいい(それがいい)と思います。

上のように、「速度は?」=「1時間あたりに進む距離は?」と、単語レベルで「翻訳していく」スタンスを取るのが、あとあと強みです。

もう一問見てみます。

「1時間でykm進む時の分速」

では、どうなるでしょうか。

60yとするのが正解でしょうか。それとも、y/60とするのがいいのでしょうか。(あるいは60/yでしょうか?)

これには

1時間=60分

とまず翻訳しておきます。

そして、分速とは、「1分あたりに進む距離」という意味なので、分で割って、

y÷60

=y/60

が正解となります。

ただ、この手の問題は、頭ではそうと分かっていても、出てきた結果に対して、「本当に合ってるのかな?」という不安が付きまとうと思います。

私もかつてそうでしたし、今でもそうです。

そこで、私がよくやるのは、パズルの答え合わせをするように、「具体的な(そして極端な)数値を代入して、自分の作った式を試す」ことです。それを「すかさず」やります。

先の「1時間でykm進む時の分速」では、次のように考えます。

・仮に、「1時間で60km進んだ」とする。

→「1分で1km進んだ」ことになる。

↑(検算)確かにこれは、60分で60km進むから、時速60kmと同じ意味になる。

 

・時速60km=1)分速60y? 2)分速y/60?

y=60を代入する。

1)60y=60×60=3600。これは時速60km=分速3600kmを意味する。

→1時間で60kmしか進まないのに、1分で3600kmも進んでいる。これはおかしい。

2)y/60=60/60=1。これは時速60km=分速1kmを意味する。

→当ってる。

こんな感じです。文章にすると面倒くさいことをやっているように見えますが、実際に慣れれば、60×60=3600と60/60=1をしているだけのことなので、10秒とかかりません。

複雑な式になればなるほど、「代入して確かめること」は効果があるので、Y君にもこのような癖をつけてほしいと思います。