福西です。
Y君は「正負の演算」から「文字式の処理」に入りました。a×2を2aと表したり、円の面積をπr2と表したりするところです。
「15分でykm進む時の時速」
これを文字式に表す問題では、
15分=1/4時間
とまず翻訳します。
次が問題です。
y×1/4とするのが正解でしょうか。それとも、y÷1/4とするのがいいのでしょうか。
速度というのは、平均や変化率(単位量あたり)のことです。そのため、必然的に割り算が要請されます。
「距離(km)」を実際にかかった「時(h)」で割ることで、1時間あたりに進む距離が出てきます。これが時速(km/h)です。
つまり、
y(km)÷1/4(h)
=4y(km/h)
とするのが正解となります。
Y君はここで、いわゆる「はじき」を使っていなかったので、私もそれでいい(それがいい)と思います。
上のように、「速度は?」=「1時間あたりに進む距離は?」と、単語レベルで「翻訳していく」スタンスを取るのが、あとあと強みです。
もう一問見てみます。
「1時間でykm進む時の分速」
では、どうなるでしょうか。
60yとするのが正解でしょうか。それとも、y/60とするのがいいのでしょうか。(あるいは60/yでしょうか?)
これには
1時間=60分
とまず翻訳しておきます。
そして、分速とは、「1分あたりに進む距離」という意味なので、分で割って、
y÷60
=y/60
が正解となります。
ただ、この手の問題は、頭ではそうと分かっていても、出てきた結果に対して、「本当に合ってるのかな?」という不安が付きまとうと思います。
私もかつてそうでしたし、今でもそうです。
そこで、私がよくやるのは、パズルの答え合わせをするように、「具体的な(そして極端な)数値を代入して、自分の作った式を試す」ことです。それを「すかさず」やります。
先の「1時間でykm進む時の分速」では、次のように考えます。
・仮に、「1時間で60km進んだ」とする。
→「1分で1km進んだ」ことになる。
↑(検算)確かにこれは、60分で60km進むから、時速60kmと同じ意味になる。
・時速60km=1)分速60y? 2)分速y/60?
y=60を代入する。
1)60y=60×60=3600。これは時速60km=分速3600kmを意味する。
→1時間で60kmしか進まないのに、1分で3600kmも進んでいる。これはおかしい。
2)y/60=60/60=1。これは時速60km=分速1kmを意味する。
→当ってる。
こんな感じです。文章にすると面倒くさいことをやっているように見えますが、実際に慣れれば、60×60=3600と60/60=1をしているだけのことなので、10秒とかかりません。
複雑な式になればなるほど、「代入して確かめること」は効果があるので、Y君にもこのような癖をつけてほしいと思います。