『ことば』(2〜4年) 『ことば』(2〜3年)  (クラス便り2015年6月)

「山びこ通信(2015年度春学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『ことば』(2〜4年) 『ことば』(2〜3年)

担当 福西 亮馬

 「2~4年」クラスでは、昨年度から引き続き、百人一首の暗唱をしています。これまでの二十二首に、この稿を書いている時点で、五首を追加しました。この調子で、三十首までなじみを深めてくれればと思います。
 さて、さっそく百人一首の試合がしたくて腕が鳴るという生徒からの要望があり、今学期は2週間連続で「かるた会」を開きました。
 一年前は「下の句」を読んでようやく手が動き出すというのが当たり前の光景でしたが、最近では「上の句」の間に取る様子が普通に見られるようになってきました。嬉しいことです。また、自分の得意札だからと言って、うかうかしてもいられなくなってきました。一字決まりの「むすめふさほせ」もマークが厳しくなり、だんだん当たりがきつくなってきました。最後にあと1枚というところで逆転されたり、逆に2枚差で突き放したりといった、高レベルな展開も見られるようになってきました。
 とはいえ、まだまだ「覚えた者勝ち」の世界ですので、ぜひ「今がチャンス!」と思って、好きになった歌を片端からマスターしてほしいと思います。
 また初回や最近に書いてもらった作文でも、生徒たちの持ち味がよく出ています。それを山の学校のブログに掲載していますので、どうぞご覧ください。

 「2~3年」クラスでは、「鞭声粛粛夜河を渡る」のフレーズで有名な、頼山陽の『川中島』を暗唱しています。昨年度は『孫子』の暗唱をしていましたが、武田信玄がそれを愛誦したことからのつながりです。そこから派生して授業中では戦国時代や源平合戦について話す機会も得ました。
 絵本では、特に生徒たちが好みそうな、いかにも怖そうな絵のものを集めてきて読んでいます。『みどりのしっぽのねずみ』(レオ・レオニ/作、谷川俊太郎/訳、好学社)は、不気味でどこか教訓めいたお話でした。『鬼のかいぎ』(立松和平/文、よしながこうたく/絵 、新樹社)は今昔物語ベースのどこか割り切れないお話でした。また『巨人にきをつけろ!』(エリック・カール作、もりひさし訳、偕成社)は最後にナンセンスな怖さがありました。
 どの本でも次のページをめくるたびに、決まって「分かった! それはこういうことや」と合いの手が入ります。四人の生徒が四人ともたがいちがいに発想を述べてくれるので、その反応に飽きることがありません。そのように集中し、お話の世界に入り込んで見聞きしてくれていることが嬉しく、私もとても読み応えを感じています。
 一方、2年生になってからより盛んに始まったことに『推理クイズ』があります。「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしながら状況を言い当てるというものです。1年生の時よりもその質問が上手になってきました。また『漢字』も去年と同じく興味を持ち続けて書いています。そしてその都度、書いた紙をホッチキスで留めて「本にする」というこだわりを見せてくれています。
 この時期はバラエティに多感な時期だと思います。様々な印象に触れて、書いたり読んだり、また発表したりすることの意欲を蓄えていってほしいと思います。