福西です。
この日は「ひねもす」キットで作った紙パイプの構造物で、荷重実験をしました。
ルールは以下の通りです。
1)180°回転する構造であること。(ロボットで言うとお辞儀をすること)
2)おもりを吊り下げる棒は8cmで共通(ロボットで言うと「背骨」の部分)。基部(ロボットで言うと「足腰」の部分)はどんなに部品を使って大きくしてもよい。
3)紙パイプ部品のみを使う。(ゴムやセロテープなど別の材料は無効)。ただし床との接地部分(ロボットで言うと「足の裏」)だけはセロテープで固定する。
4)3秒以内に180°回転するとアウト。
つまり、動きのある構造物を、摩擦などの工夫によって「動きにくくする」(フレキシブルだけれどもきちんと姿勢を取れる)という課題に挑戦しました。
荷重は、Yu君が最初に40gの記録を出し、それに続く形で新記録がどんどん出てきました。
60g、80g、90g、160gと出ました。
最後の160gという記録は、Yo君でした。判定基準が個人の感覚に依存していたので、ちょっと疑問は残りましたが(^^;)、ともあれYo君が「折り曲げたモスで、ばね、あるいは吊ってブレーキをかける仕組み」(人間でいうと腱や靭帯)を発見し、それが一番重みに耐えていました。
強度の上げ方には、主に二通りの方法があります:
1)材料的
2)構造的。
「腱」は、「構造的」な工夫となります。
「完全に動かない」(はすかいを入れた)構造が一番荷重に耐えられるわけですが、ルールの1)があるのでそれがかないません。そこで、「腱」の工夫は、「動かない」と「動く」との中間の構造を考えたことになります。
動かないようにするのなら、「間に詰め物をすればいいやんか」というのは、一見反則っぽいですが、「その詰め物がスポンジやクッションのように伸び縮みすればいいやんか」というのが、ブレイクスルーです。
他にも、短時間の間に、
1)回転軸となる小モスを支持する大モスを「複数」にして、支持する摩擦力を増やす(全員)
2)上記の大モスをばらばらにではなく、連結させる(ほぼ全員)
3)回転軸となる小モスをより太くして、摩擦力を増やす(特殊な小モスを自作する)(Yu君)
4)大モスをより太くして、回転軸との接触面積(摩擦力)を増やす(特殊な大モスを自作する)(S君)
5)回転軸を大モスだけでなく、中に差し込む小モスでもしめつけて、積極的にブレーキ構造を設ける(S君)
6)おもりを取り付ける軸の反対側にカウンターウェイトを付ける(T君)
といった工夫が見られました。
3)、4)は材料的、その他は構造的な開発となります。
みんなは粘土(おもり)を乗せることに夢中でした。なかなか面白い雰囲気でした。