福西です。
先週と今週と、「ノミのピコ」という取り組みをしています。「~の/~の/~の…」と、単語をつなげていく遊びです。「これが主語かな?」と思ったものが次々と交代し、文章としての意味にとらえどころがないのが特徴です。授業では生徒の提案で、助詞には「~の」の他に、「が、を、に、で」などの思いつく限りのものを取り入れました。
作文用紙に2枚ぐらい埋まったところからいよいよ筆が乗り、先週は1時間ずっとそれに集中していました。それが楽しかったようで、今週も「またあれをやりたい!」と言うので、「どこまで続くかな?」と思ってやってみました。
ゾンビが出てきたり、巨人が出てきたり、マリオが出てきたり、その時々に心に浮かんだことが書き出されていました。
フランソワ・ピアスの『最後の巨人』という絵本に、一日の終わりに印象深かった出来事が背中の刺青の絵になって現れるという、巨人が出てきます。私はその話を思い出しました。「君たちのしていることは、まるでそれみたいやなあ」と言って、ちょっとその絵本を見せました。
今週もほっておくと、1時間それをし続けそうな勢いでした。
Rt君は「これで本を作りたい」と言っていました。
最後に、絵本を一つ読みました。
『天下一の弓使い』(松本猛/文、武建華/絵、小学館)
モンゴルに似た国のお話。一番強い人が姫と結婚できるというお触れが出され、大勢の若者が名乗りを上げます。その中に大した実力はないけれども口先が上手いシャオチェントゥと、天下一の弓使いの実力を持ったムーラーとがいます。
最初はシャオチェントゥがうまいことやってのけて、姫と結婚する運びとなります。ムーラーは、「私はあなたに負けたのではなく、ぐうぜんの力に負けたのだ」と言って引き下がります。
そこへ外国から敵が攻めてきて、シャオチェントゥは逃げ出します。その彼を助けたのは…というお話です。
二人の登場人物の振る舞いが、生徒たちの心にはどのように映ったでしょうか。
P.S.
T君が自主的に、1年生の間にした暗唱のおさらいをしてきてくれました。1年生の最後の授業で、「やってくる!」と言っていた彼が、本当にやってきたことを、この場を借りて称揚したいと思います。