福西です。このクラスでは、新しいこととして、論理パズルをしていきます。
今日はその導入です。「頭の中の出来事を理路整然と取り出して、書き出す」ということには、慣れが必要なので、ゆっくりと1時間をかけてしました。
『問題』
運動場に三人の男子がいます。彼らは、ベン、アダム、カイという名前です。ただ、はじめて見るあなたには、だれがだれだか分かりません。そこで、つぎのように彼らに紹介してもらいました。サッカーをしている男子 「あのバスケをしているのが、カイだよ」
バスケットをしている男子「いや、野球をしているのが、カイだよ」
野球をしている男子 「バスケをしているのが、アダムだよ」ベンという名前以外の男子は、かならず正しいことを言っていますが、ベンは必ずうそをつきます。
さてあなたは、三人の名前を言い当てられるでしょうか?
H君
サッカーがベン、バスケがアダム、野球がカイ
もしアダムが野球だったら「バスケをしているのがアダムだよ」と言っていることがおかしいから野球は、アダムではない。
もしアダムがサッカーだったらアダムはうそをついていはいけないのでカイもうそをつけないから「あのバスケをしているのがカイだよ」だと、カイは、うそをつけないのに、ウソをつかないといけないので、アダムはサッカーじゃない。
アダムがバスケのばあいは、「野球をしているのがカイだよ」と言っているので、野球をしているのは、カイです。そしてベンがサッカーをしている。これはむじゅんがない。
Y君
ベン・・・サッカー
アダム・・・バスケットボール
カイ・・・野球
もしもベンが野球をしているとしたら、後の二人は正しいのでカイはバスケも野球もしていることになるのでおかしい。
もしもベンがバスケをしているとしたら、後の二人は正しいので、カイもアダムも、そしてベンもバスケをしていることになるのでおかしい。
だからベンは「サッカーをしている」ので、ベンの言ったことから、「バスケをしているのは、アダム」になる。これは野球の人と一ち(一致)する。
バスケの人はアダムだから、うそは言わないため、野球の人はカイだと分かる。
ベン「バスケ→カイ」=バスケ≠カイ
アダム「野球→カイ」
カイ「バスケ→アダム」
Z君
ベンは、サッカー、アダムは、バスケ、カイが野球をしている。
なぜならAとBがカイのことを言っているけど一人でちがうスポーツは出来ないしどちらかがうそをついている。AとBのどちらかがうそをついているから、Cは、本当の事を言っているからCはアダムとなる。
バスケをしているのがアダムで、Aの言っていることは、バスケをしているのがカイといっているが、Cは本当の事を言っているからAはうそをついている。Aは、うそをついたから、バスケをしているのはカイではなくなる。ベンはうそをつくからAはベンになる。そうなったら野球をしているのはカイとなる。
U君
まず、答はサッカーをしている人がベン、バスケがアダム、やきゅうがカイですが、
もしベンがバスケをしていたらアダムアダムともいわれるし、カイともいわれる。これはおかしい(二人は正しいことをいうので)。
やきゅうがベンだとカイともいわれるしアダムのそんざいもなくなるから。
サッカーをしているのがベンだから「バスケがカイ」がうそ。でもアダムはウソをつかないから野球がカイで、アダムがバスケです。
書き方のポイントは、以下の三つです。
1)仮定を置く。
例:「もし~なら」と書き始める。(これが大きな鍵)
2)上の仮定で場合分けをする。場合分けの仕方は色々ある。
例:「もしベンがAなら、ベンがBなら、ベンがCなら」、「もしAがベンなら、Aがアダムなら、Aがカイなら」
3)矛盾を探す。矛盾がないものが答。そしてその答が一つかどうか(解の唯一性)も判定する。
以上のことは、みんなはじめでした。そして、初回にしては十分すぎるほど吸収してくれて、それぞれに頼もしい解答を書き残してくれました。その調子で取り組んでください。
ところで、Z君とU君は、問題文の三人の発言の特殊性に注目していました。つまり「カイだよ」という同一の文章が二つあることに着目し、ここから、サッカーをしている男子と、バスケットをしている男子の発言が、「両方正しいことはありえない」ことを得ました。すると、そのどちらかが「うそつき」だということになります。
二人は、そこからもう一段考えを進めて、「ということは、野球をしている男子は、正直」と、補集合を取って考えていました。(うそつきは先の二人のどちらかに含まれるから)。「お見事」と思いました。なぜなら、思考の節約となり、場合分けの手間を一段省けていたからです。