浅野です。
ちょうど年度末でこの本も読み終えました。
ケントンさんとの再会も終えて、桟橋で主人公が思いにふけっている場面です。
ダーリントン卿は誤った選択だったとはいえ自分で選択したのに対し、スティーブンスはその主人を信じるしかなかったと対比されます。無力感にとらわれつつも、自分の置かれた環境でできることはやってきたという自負も見えます。
そして周囲の人たちが楽しそうに会話しているところから、冗談の効用を認識し、もっと冗談の練習に本腰を入れようと決意して物語は終わります。
自由と自己決定というテーマで先学期のJ.S.ミル『自由論』とのつながりも感じられます。