今日の論理パズルの問題です。
『巫女カサンドラ』
鍵のかかった青銅の箱が4つあり、それぞれ表に1、2、3、4の数字が1つずつ(重複なしに)刻まれています。そして箱の中には、それぞれ真珠、琥珀、金、銀が1つずつ(重複なしに)あります。そこで、必ず真実を述べる巫女のカサンドラが言いました。
「琥珀は真珠よりも、真珠は金よりも数の小さな箱の中にある(条件1)が、もし銀が1か3の箱の中にあるときは、琥珀は2の箱の中になければならず、もし銀が2か4の箱の中にあるときは、琥珀は1の箱の中になければならない(条件2)。」
さて、1~4のどの箱に何が入っているでしょうか? その答が一意(一通り)であるかどうかも示しなさい。
(「条件2」を利用すれば、銀と琥珀が固定できることを利用する方法)
もし銀が1か3の1だったとしよう。こはくはぜったい2で(条件2より)、(こはくよりも)真珠(と金)の方が大きい箱(であり)、金は真珠より大きいので、真珠は3で、金は4になる。(1つ完成)
もし銀が3だったら、(2の次に大きいのは4しかなく、こはくの2より大きい)真珠と金が4で重なって駄目なので、銀は3ではない。(不完成)
もし銀が2か4の2だとしたら、こはくは1(条件2より)。真珠はこはくより大きいので3か4。でも金がいるので(条件1より)真珠は3で金は4である。(成功)
もし銀が4だったら、こはくは1。真珠はこはくより大きい箱なので、2か3だけど、(金は)真珠より大きい箱に入っているので、金は3で真珠は2になる。(完成)
つまり、
1パターン目 1銀 2こはく 3真珠 4金
2パターン目 1こはく 2銀 3真珠 4金
3パターン目 1こはく 2真珠 3金 4銀。
*( )部分は私の補足で、あとは解答のままの文章(漢字も含めて)です。
N君は最後の部分を仕上げてくるために家に持ち帰っています。また持って来てくれた時にアップしたいと思います。「課せられる」とか「条件を満たすものは…」とか、本格的に書いてくれています。
(T君はみさきの家のために、残念ながら今回はお休みでした。)
私もやってみました。U君のと同じでした。(あっていますね?)カサンドラが出てくるので、問題に趣がありますね。問題のパターンはもしかすると既出なのかもしれませんが、問題の味付けの部分を含めて考えると、これは亮馬先生の創作だなあ、と私は感心してしまいます。
はい。U君の答で、正解です。
余談ながら、3通りも答が出てきてしまっているのは、実は私が問題をアレンジした時の
影響です。(やっぱり「できた!」と実感できるのは、答が一意である時が最も強いですね)
最近、この問題作りが楽しみの一つになりつつあります。真似ているとだんだんコツも
分かってきて、いずれオリジナルもお目見えするかと思います。
楽しみにしています。こういうとき、ギリシア神話から名前を借りて来るというのはとてもうまいアイデアですね。このような問題づくりは、歴史的にいつごろから始まったのでしょうか。たぶん、ギリシア・ローマの時代にも練習問題もどきはあったに違いないと思います。中国も、矛盾と言う言葉を生み出した国ですから、きっと何かこの手の問題のルーツがあるようにも想像します。また、こんなことを書くのは日頃の私の主張とは矛盾しますが、アメリカの大学院の入試ではその40%が論理パズルで構成されているらしい(←グーグルで検索した見出しの文句で中身は未検証)です。要するに、論理パズルは、試験に出る出ないは別として、時代と国境を越えた普遍的問題であるだろうと思われる点で、ぜひどんどん授業に取り入れてください。