高木です。
先週(11/5)このウェブログで書かせてもらったことや、その後いただいた山下先生のコメント、あるいは保護者の方とお話しさせていただいたことをもとに、いろいろと総合的に考えた結果、このクラスでは今週からは、「かずの工作」(おもに紙を扱います)を取り入れていこうとおもいます。もちろん、ドリルとパズルにも、これまでと同様に取り組んでいきます。
最近ドリルの丸付けをしていると、全員にとは言いませんが、ほとんどの生徒が不得意な分野として、数直線を読みとる問題や長さ(㎝, ㎜)を測る問題を挙げられることが、だんだんと分かってきました。これはアナログ時計の読み取りや、数の「位」、「単位」の概念の基礎を築く重要な問題です。また、図形の把握に不慣れな生徒もいます。「工作」では、図形や立体を把握したり、長さを測ったりすることが求められるので、ぴったりだと思います。というか、そのように自分で長さを測って線を引く工作に取り組みます。(既製の型紙を使用するのではなく。)
またなにより、山の学校の取り組みとして、実際の場面に即して「かず」を学んでいくことも、実のある学びになりうるのではないかと思ったのが、工作を取り入れた根本的な動機です。最近、子どもたちは休み時間に、福西先生の用意して下さる紙ヒコーキを非常に熱心に作っています。彼らが楽しんで取り組めるようなものだと、モチベーションも上がり、「かず」それ自体に積極的になれるのではないかと思いました。
またなにより、山の学校の取り組みとして、実際の場面に即して「かず」を学んでいくことも、実のある学びになりうるのではないかと思ったのが、工作を取り入れた根本的な動機です。最近、子どもたちは休み時間に、福西先生の用意して下さる紙ヒコーキを非常に熱心に作っています。彼らが楽しんで取り組めるようなものだと、モチベーションも上がり、「かず」それ自体に積極的になれるのではないかと思いました。
今日は、ドリルに取り組んだ後、六面体のサイコロを作りました。
説明の文章と展開図の見本をお渡しして、そこに書かれてある寸法のとおりに、方眼紙に線を引いていきます。(方眼紙を用いたのは、まだ「角度」について学んでいないからです。「直角」を測らずに、四角形が描けます。)「のりしろ」の幅を上手く測れるかどうかがポイントです。
Y君とK君は、「長さをぜんぶ倍にしていい?」と言って、ビッグサイズのサイコロにチャレンジしてくれました。R君は、サイコロの目を、反対側と足してきちんと「7」になるように割り振ってくれました。Hちゃんは非常に正確で美しい線を引いてくれます。
みんな非常に熱中して取り組んでくれました。時間がきて、「続きは来週」と言うと、「え〜〜、まだやる〜」という、嬉しい不満の声を聞くことができました。
高木先生、福西です。
そうですか、そこにたどり着きましたか…。高木先生の工夫には毎回のことながら、感銘を覚えます。数直線を読み取る必要から、いつしかサイコロができ、それによってクラスの雰囲気が一つにまとまっていくことは、高木先生によるオリジナルな展開で、私には真似のできないことです。
数学は、10本の鉛筆と5個の消しゴムを、10+5=とでき、仮に鉛筆を100本にしても手間は同じところに、つまり抽象化して考えるところに良さがあると、矢野健太郎氏の本で読んだことがありますが、その抽象化するための「考える勇気」とも言える、常に支えとなる土台は、まさに高木先生のやっておられるようなところで補完される、生徒自身のそれまでの経験にあるのだろうと思います。
これは文章題にも言えることですが、イメージできないものを紙の上で訓練することには「急がば回れ」と言えるところがあります。そこを先生が必要を感じられて、クラスの共通体験として、生徒たちにそのチャンスを作ろうとされたことは、とても意義深いことだと思います。私も授業のヒントにできればと思います。
ところで、立方体ということで、全然関係ないのですが、今ふとこんな問題を思いつきました。ことばのクラスで、水平思考(lateral thinking)というクイズをしていますが(勝手に推理クイズと名前を変えていますが)、それにこんな問題があります。
問題
「モンゴルでは、郵便物は「長さ1mを越えてはならない」という規定になっています。しかしある人がモンゴルの郵便局に1.3m弱の長さの笛を持って行って頼んだところ、快く運んでもらえました。さて、どうやって運んだのでしょうか?」
紙の上だけで考えるのであれば、中学生の知識が必要とされますが、もしかしたら、小学生にとっても、平面で考える時とは違った展開が立体にはあることをイメージする一助になるかもしれません。
高木です。
コメントをありがとうございます。福西先生にそのように言っていただけることは、私にとって大きな励みになります。
またこちらこそ、いつも福西先生の取り組みをウェブログで拝読しながら、学びの楽しさと奥深さを教わっています。
そうした素晴らしい体験が、この「かず2年生」のクラスでも共有できるように、日々考えている次第です。
福西先生の出される推理クイズで、面白いなと私が思うのは、言葉や数が具体的な場面や行動に結びついているところです。問題文を読んでいると、具体的なイメージが頭に浮かぶのですが、そのイメージの解像度を上げていく過程が、結果的に、言葉や数に無理なく接する機会となっています。具体的なものに接しながら、それが記号の抽象性への架け橋になっています。
私が福西先生から学び、このクラスのなかでも取り組んでいこうと思っているのも、そうした「生きた思考」です。「かず」に工作を採り上げている理由も、そこにあります。
出して下さった問題、おそらくこうではないかという答えがいま思い浮かびましたが(こんど答えあわせさせて下さい)、たしかにこれは立体的・空間的に考えることが重要なカギになりますね。2年生のクラスの生徒はまだメートル(m)の単位は習っていないと思いますが、すこしアレンジして、工作に併せて、今度彼らにも出してみようと思います。
ちょうど子どもたちが帰るところに立ち会いましたが、みな一様に満面の笑みをたたえていたのが印象に残っています。>高木先生
モンゴルのクイズ(←いろいろ省略)は、私もこれかな?というアイデアが浮かんだのですが、また確認させてください(^^) 確かめないと気になってしまうたちなもので(笑)。→大人が真剣になる問題を子どもたちは知恵を出し合って解いているのですよね。すばらしい。>亮馬先生