福西です。今日は数論をする週で、「割り算であまりが巡回する節が長いものを見つけなさい」という問題を出しました。
たとえば、1÷6=0.6|6|6|・・・ なので、6だけがこの後繰り返します。それを、「1÷6の商は、長さ1の節を持つ」と見なします。
また、2÷7=0.285714|285714|28・・・ なので、285714が繰り返します。これは「2÷7の商は、長さ6の節を持つ」と見まします。
そこで、U(UK)君、N(NT)君、T(TK)君の3人がそれぞれ計算を始めました。
12345678910÷12 をしました。
ところが、これもまた残念なことに1028896575.8|3|3|3…
と、節が1つしかありませんでした。そこで、U君は「そっか!こうしよう」と、次のように調べました。
12345÷12
これでU君の計算では長さ6の節の答が出たのですが、あとで調べてみると、計算間違いで1028.75で割り切れてしまいました。実に残念!
N君はというと、70÷46 を調べていました。計算が一苦労で、20分かかっても途中節の終りが見つからないように思えたのですが、よく見ると、循環が起こっていることに気付きました。
70÷46=1.5217391304347826086956|521…
この521のしっぽを見つけたとき、「おお!」と喜びました。節の長さは22ありました。
そして、T君は割る数を固定して、次のように調べていました。
23÷7=3.285714|285714… (節285714)
12÷7=1.714285|714285… (節714285)
18÷7=2.571428|571428… (節571428)
T君は最初、これらの節の長さがいつも6であることに疑問を持ち、あれ?と思ってから、「285714の6種類の数字しか出てこない」ことに気付きました。そこから次に「あ!もしかして! これって、どれも同じ順番で繰り返しているんやないやろうか?」ということを発見しました。
それはこういうことです。上の23÷7の節を続けると、285714|285714|285…となりますが、これを別のところできれば、285|714285|714285…となります。これは、12÷7とまったく同じ循環です。そして予想通り、後のどの節も、延長すれば同じく「285714…」という順番で繰り返していることに気付きました。これは大発見です!
そこで、疲れたかなと思って私が「ここらで次のことをしようか?」と聞いたのですが、T君はまだ「よーし、もっとやってみよっと!」と、ときの声を上げていました。ここらで止まらないところが、T君には好奇心があってすごいなと思います。
24÷7=3.428571|428571…
1÷7=0.142857|142857…
やっぱり、何度別の計算をしても、循環自体は、「285714」の繰り返しです。÷7の「魔の循環」です。
しかし今日はT君がすごくさえていて、さらに筆算の中からも、発見をしました。
0.428571428571 (商)
7)1.000000000000
3264513264513 (余り)
余りの方も実は、循環が起きているのです!(しかも別の数字の組み合わせで)
そこで、この発見を、T君の口からみんなに説明をしてもらいました。みんな「すごい!」と言ってくれました。
その後で、T君はこのように黒板に書き残していました。
Tピエールのかいしゃく
7でわってわりきれなかった場合、
上は285714
下は264513
になるのだ!以上Tピエールのかいしゃくであった!
(Tピエールのサイン)
数の構造を理解して、きっと嬉しかったのだろうと思います。
これって小学生のクラスですよね。
見かけは小学生で、魂は立派な scholar (本来の意味での学者)ですね。
このような生き生きとした取り組みに立ち会うことが出来る幸せは何物にも代え難いですね。