福西です。
先週から授業の前半は「てんびん算」の次に「かけ算ロジック」に取り組んでいます。かけ算ロジックは、一つ前のかず5・6年の記事で書いている通りのものですが、こちらのクラスでしていたのが最初でした。
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3年生のEちゃんがかけ算を好きなのですが、「九九」と題したドリルを一度手にとってもえるとわかるように、どのページも九九の計算ばかりがずらっと味気なく並んでいます。それだとなかなか最初のかけ算への好奇心を維持することが難しいです。そこでせっかく「かけ算が好き」という好奇心を持続させ、難易度的にも九九の延長となるような問題がないものかと、去年から実は探していたのですが、ようやくになって、この手の問題が見つかりました。
3×4 = 6×2 (てんびんをかけ算でつりあわせる問題)のあとに、
3×5 < 4×4 というように、不等式が成り立つようなかけ算の「てんびん」が作れそうです。「かけ算ロジック」はその導入にしようと思います。
一方、てんびん算の方でも実は、てんびんが2台になるといきなり難しくなってしまう(1年生の問題の次にいきなり5年生の問題が来るような感覚)ので、その中間で、てんびん1台の問題の延長版を模索していたところでした。そこに当てはまるようにアレンジできればと考えています。
さて、後半の展開は、学年ごとの要点プリントか、各自ドリルをすることにしていますが、今日は「かけ算ロジック」の後、4年生には「概数」の要点プリントを、3年生にはドリルの続きを進んでもらいました。
この「概数」で、よく理解の混乱が見られるのは、1)「四捨五入して上から二桁の概数に直しなさい」と、2)「上から二桁目を四捨五入して概数に直しなさい」という二通りの指示があることです。
たとえば、14500という数は、
1)の指示だと、5を四捨五入して、15000となります。そして、
2)の指示だと、4を四捨五入して、10000となります。
私が教えるときは、
1)では上から二桁目の次が問題となるので、4と5の間に|をひく、
2)では「上から二桁目」である4に○で印をつける
ようにしていました。1)は問題ないのですが、2)がちょっとわかりにくく、そこでHちゃんが上の問題で言えば「14が10になるのね」といってくれたことに、「なるほど」と私もより納得する教え方をもらいました。
つまり、14|500 と、こうすればいいわけです。これで14→10になるとすれば、四捨五入して数が減った感じがよりイメージできます。
ところでこの概数の操作はTちゃんがすごくよく理解していました。
さて、3年生のEちゃんは九九の薄いドリル、4年生のTちゃんとHちゃんは、自分たちで表紙をこさえたドリル(中身は他のドリルからとった問題のコピーですが)それに対して、今までにない意欲を燃やして取り組んでくれています。(ちなみにこれだと「宿題」と言わなくてもすごい勢いでしてくれます^^)
さてEちゃんは最近、かけ算の筆算を習ったことを得意にしています。それでかけ算ロジックにも「九九以上のがしたい」と言っていました。難易度が極端に上がるので難しいのですが、また折り合いを考えてみます。
そして最後に、10分間を割いて「推理クイズ」をしました。このクラスもそれは好評で、学年が違っても自由気さくに質問をすることで、互いに溶け込んでくれています。
この推理クイズは、「ことば/かず」「学年」に応じて意味が変わってくると思いますが、このクラスでは以下のメリットがあると考えています。
1)質問・発言する力を養える
2)問題をよく調べ、前提を疑うことができる
3)2)をする結果、文章題でも、勝手な式を立てて題意に適さない答が
出ても平気という姿勢を疑うきっかけになる
4)みんなで解く時間があると、ドリルの時間とのバランスが取れて、
クラスがまとまりやすい
今のところ、授業内容の柱としては、
前半「てんびん算」や「かけ算ロジック」(学年共通・個々に解く課題)
後半「ドリルor要点プリント」(学年ごと・個々に解く課題)
最後「推理クイズ」(学年共通・全員で解く課題)
とするのがいいように考えていますが、これからも微調整しながら工夫していきます。
いろいろ工夫を凝らしておられる様子が伝わってきます。学年が違う子どもたちを一緒に教えることはとても難しいのですが、その点にもじゅうぶん配慮してくださってありがたいです。
かけざんが好き。この素朴な気持ちを起点とし、この気持ちを大切にして、授業内容を組み立てておられますね。
>自分たちで表紙をこさえたドリル
女の子らしいですね。仲の良い二人でそろって表紙をつくった、という思い出もプラスに働いているのでしょう。
推理クイズは学年を問わず、また、性別を問わず大人気ですね。先生としたら、ネタの安定確保につとめないといけないので、この点が嬉しい悩みですね。