かず5・6年

福西です。

今回は、先々週の「整数解の不等式」の続きで、素因数分解を取り混ぜた問題をしました。

その導入として最初「かけ算ロジック」をしました。

かけ算ロジックとは(名前は私が勝手につけたのですが)、次のようなマス目で、たて・横それぞれの「積」の結果が、欄外の数に合うように「?」に数を当てはめていくパズルです。

  4  45
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 |?|?|20
 -----
 |?|?|9
 -----

この問題だと答は、

  4 5

  1 9

となります。

これを8問ほど解いてもらってから、いよいよメインの問題です。

第1問 
形の同じ区別の付かないサイコロを2つ同時に振ったとき、その目の積(かけ算)が20以下であるパターンは何パターンあるか答えなさい。ただし出目が2と5であれば、(25)と表記すること。

例 (12)→1×2=2 ≦20 … これも1パターン
  ただし、(12)は(21)と同一視する。

答は、

(11)(12)(13)(14)(15)(16)
(22)(23)(24)(25)(26)
(33)(34)(35)(36)
(44)(45)

の、計17通り。

ここで「数えもれ」「数えすぎ」を防ぐ一つのコツがあります。それは、(AB)はA≦Bとあらかじめルールを決めておいて、Aを順に1から6まで変化させていくことです。これができると多くの場合分け問題を、試行錯誤に頼らず(苦手と思わず)クリアできるようになります。(小学生レベルの問題であればほとんど余裕になります)

そして(45)の次の(46)は20を超えるので×、そして次は(55)となりますが、これが20を超えることから、ここで考えをストップさせることができます。この「確信を持ってストップできる」ことが、この手の問題が解けることとはほとんど同義です。いわば(for文とif文の)プログラムを組めるようなものです。

第1問は簡単だったようで、5分ぐらいでみんなできていました。そこで今度はサイコロを3つにしてみました。同じように解けるでしょうか。

第2問
形の同じ区別の付かないサイコロを3つ同時に振ったとき、その目の積(かけ算)が20以下であるパターンは何パターンあるか答えなさい。

これも実はまったく同じようにできます。(ABC)…A≦B≦Cと設定し、Aを順に1から6まで変化させていくことで解けます。

(111)(112)(113)(114)(115)(116)…6通り
(122)から始まる…5通り
(133)から始まる…4通り
(144)から始まる…2通り (145)=20で打ち止め
(155)×

(222)から始まる…3通り (225)で打ち止め
(233)…1通り (234)×
(333)×

よって、計21通り。

もしやり方を知らないとかなり試行錯誤がいりますが、上のやり方はあとで補足として教えたことで、解くときはもちろん自力でやってもらいました。そして3人の答えが出揃ったところで答え合わせ。3人ともぴったり21で合っていました。その後の説明にも、高い理解度を示してくれて嬉しかったです。

さて、実は1年生以外の私が受け持っているかずのクラスで、時間が余ったら推理クイズをしているのですが、どのクラスでもノリがよくて、特にこのクラスではすこぶるそうで、毎回楽しみにしてくれています。ちょっとしたブームです。

今日も最後に15分あったので、それをしました。さすが高学年で、ものの5分もあれば決定的なヒントを見つけ出して、答までたどり着いてしまいます。質問も矢継ぎ早によく出ます。そのこともまた安心要素の一つです。そして仲がいいのか解けたたびに互いに喜びを分かち合って(?)います。個人戦はなく、めいめいがドリブルとパスとシュートの可能性があるという愉しみがあって、それが次回につながっているようです。そのように楽しんでしてもらえれば何よりです。

目下、論理パズルと数論で垂直思考(思考の深さ・論理)を鍛えた後は、推理クイズで水平思考(思考の広さ・洞察力)も鍛えていこうと考えています。目指すは「鬼に金棒」です。(笑)