かず5・6年

福西です。
冬学期最初の授業では、以下の論理パズルをしました。

『ヘルメスのさいころ』

 あまりにも運がなくて死んでしまった三人の男A、B、Cがいました。そこで商売と泥棒の神様で、冥界への案内役でもあるヘルメスが、冥界に連れて行く前に、一つ彼らに運試しをさせました。
 それは、サイコロを二つ投げ、一番大きい数の出た者が一人だけが、地上に帰ることができるというものです。その結果、三人のサイコロの目は次のような結果になりました。

結果1 三人ともばらばらの数だった。
結果2 ぞろ目を出した者はいなかった。
結果3 二つのサイコロの和(足し算)が奇数だった者はいなかった。
結果4 男Aの二つのサイコロの積(かけ算)は12だった。
結果5 男Bの二つのサイコロの和(足し算)は6以上だった。
結果6 男Cの二つのサイコロの差(引き算)は2以下だった。
結果7 三人のサイコロすべての合計は、20以下だった。

 さて、男A、B、Cのだれが地上に帰ることができたのでしょう。

*( )部分は私の補足で、あとは全部生徒の書いたままです。

Ta君の解答

まず、Aの二つの数がかけ算で12という条件で、12になるのは(出目が)3と4か6と2の組み合わせがあります。でも、3と4だと合わせて奇数になってしまうので、6と2の組み合わせとなります。(A=8に決定)

次に、男Bの足し算は、奇数の組み合わせは除かれて、(出目は)2と4となります。(実は1と5もありますが、いずれにせよB=6と決定)

補足
(結果3から、出目の合計は2、4、6、8、10、12しかなく、そのうち2と12はゾロでないとできないので×。8はAがすでに使っているから×。さらに10は結果7からありえない(20-18で男Cが2以下の目になってありえないから)。さらに4も結果5から×。よって男Bの出目の合計は6のみ。)

さいごに、結果7から、3人の合計は20以下ということから、(男Cの出目は)3と1の組み合わせとなります。

補足
(出目の合計について、20-男A(8)-男B(6)=6。しかし6は男Bが使っているので、上の補足の議論から、男Cには4のみが当てはまる)

よって、一番大きい数を出したのは、男Aとなります。 A.男A

———————————

Ku君の解答

男Aから~
男Aの数を求めるには、「2×6」か「3×4」しかないし、和が偶数じゃないとダメなので(3+4=7なので)「2×6=」になって男Aは8になる。

男Bから(について)~
そしてのこりは(結果3から、出目の合計は2、4、6、8、10、12しかなく、そのうち2と12はゾロでないとできないので×。8はAがすでに使っているから×。よって)6か4か10がのこる。

そして男Bは6以上とかいてあるので、4はちがう。そして(Bが)10でやったばあい、(条件7からA+B=18、20-18=2≧Cとなるので)男Cは2以下だとかいてあるから(結果2からCは2ではありえず)、(Bは)10ではないので、6になる。

(*「10でやったばあい…矛盾が生じるから10でない」の箇所は背理法を使っていることになります。)

男Cから(について)~
さいごに男Cは合計20(以下)になるようにしないとだめなので、式をかんがえると「3+1」しかないので、男Cは4になる。(なぜなら結果6から1+3、2+4、3+5、4+6か、1+2、2+3、3+4、4+5、5+6になる。そのうち偶数になるのは前者。そして=6はBが、=8はAが使っていて、また=10はA+B+Cが20を越えてしまうから)

(そして男C=4は、1+3の出方があり、それは条件6に矛盾しないので適する)

男Aが地上に帰れる!

———————————

Ke君の解答

まず男Aの数字を求める

まず1~6のうちかけると12になるのを考える。すると「6×2」と「3×4」がある。こんどは×を+にすると「6+2」と「3+4」になり、アンサーは8と7になる。7は奇数なので男A(は)8になる。

(残る出目の合計は)結果1・2・3・4(4は不要)・7からして、4、6、10しかない。

補足
(結果3:2、4、6、8、10、12が○ 
 結果1:8× 結果2:4、12× 結果7:10×)

男Bは(結果5より4ではないので)10か6です。男Aは8で、もし男Bが10だったら、AとBは18。(加えてCの出目の合計が)4と6だったら20以上になる。なのでBは10ではない。

(*ここの背理法は、見事です)

とするとBは6。Cは10だったら(三人の合計は)20より上。つまりCは4。4は(サイコロの目が)1+3(しかない)ので(条件6の)2以下になるので6たっせい!!

なのでB・Cはくやしいが男Aが地上に上がる。

—————————————-

背理法
「Aである」と仮定して、他の条件(BやC)で矛盾が生じる時、「Aではない」ことが結論できる方法。