福西です。
遅くなりましたが、前々回(秋学期最終)の授業内容です。
以下のような場合わけの問題で、整数解の不等式について触れました。
問題1
同じ種類の6面のサイコロ(A)が3つあります。
「サイコロA+サイコロA+サイコロA≦5」
を満たす出目の組み合わせは全部で何パターンですか?
さて答は、
(111)(112)(113)(122)の4パターンです。
「簡単や」ということで、それでは≦6でしてみました。すると、
さらに(114)(123)(222)
が追加されて、計7パターンです。これも簡単だったようです。
それで次の別の問題に行こうとした時、Ku君が自発的に「よし、7の場合もやってみよう」と言ってしてくれたので、そこで立ち止まって一緒に考えました。そして、(115)(124)(133)(223)が追加されて、計11パターンということが分かりました。
さて、次の問題です。
問題2
種類の違う6面のサイコロが3つ(ABC)あります。
「サイコロA+サイコロB+サイコロC≦5」
を満たす出目の組み合わせは全部で何パターンですか?
このとき、Ta君が、「それはな、こういうことや」と問題1との違いを明確に説明してくれました。
この場合、先の(112)は(121)(211)と区別されるため、計3パターンに勘定されます。つまり、
(AAA)=1パターン
(AAB)=3パターン
(ABC)=6パターン
という区別をつけられるかどうかが鍵となります。
さらに、(122)を3パターンと数えたあとで(221)を別に3パターンと数えてしまったり、(113)を数え忘れてしまったりするような、「数えすぎ」と「数え忘れ」がないことが、場合分けの基本となります。
そのための工夫がそれぞれ独自に見られました。特にKe君が(112)の書き方を駆使して、もれのない正確な書き方を示していました。Ku君はちょっと数え忘れがありましたが、指摘するとすぐに「あ、そうか」とわかってくれました。またTa君は逆に考えすぎてしまったために、数えすぎた分を吟味して消していく必要がありました。
Ku君は案の定、先の問題で≦7をしたので、この問題についても≦7までしました。他の生徒もそれにならいました。それで3人の答が一致するのを待って、「正解」を言いました。35パターンで合っていました。
今、このようなところから、5年生の人は6年生までに、6年生の人は中学生になるまでに段階的に慣れていってもらおうと考えています。とりわけ今は、以下の補題が応用も広く、数の感覚としても染み付いてもらえるようにと思っています。
補題
1)3つの異なる数の並べ方は、6パターン。
2)3つの異なる数から1つ、あるいは2つの選び方は、3パターン。
もれなく数えるというのは、実社会でもデータベースを管理する際によく使うスキルだと思います。亮馬先生が目指されていることとは少しずれるかもしれませんが、今されている取り組みは、将来十分に役に立つことだと思います。そのくせ、学校ではわりとあっさり片付けられたりした記憶があります(笑)。