福西です。
2回目の今日は、Sちゃんが学校で使い方を習ったと言ってコンパスをもってきてくれたので、早速、半径が1cm、3cm、5cmの円を描いてもらいました。この中で1cmの円が一番描きにくい(力を入れるとコンパスの針が外れやすい)のですが、Sちゃんは「こうすればいいかも」と、紙の方を回して解決していました。驚きました。自分で発明したバラ(の描き方)も見せてもらいました。また色々な描き方を編み出したら、教えてください。
竹ひごを同じ長さに切って、ねんどを玉に丸めるのはけっこう大変な作業なのですが、実際問題、ある形を作るために、竹ひごとねんど玉がどれだけ必要になるかは、できればぴったりその個数を知っておきたいものです。でないと、あらかじめたくさん作るのも手間ですし、不足するたびにいちいち補っているようでは、もっと手間に思えます。それが今回のテーマでした。
*以下、竹ひごのことを「線」、ねんど玉のことを「点」と言うことがあります。
三角形の場合は、実際作ってみるまでもなく(作ってみましたが)、線が3本、点が3つです。四角形は線と点が4つずつ。六角形でも点と線は6つずつです。要するに何角形であっても、点と線は同じ数になります。
では、正六面体(四角形の面が6つ、つまりサイコロ)では、どうなのでしょうか。
予想では、「六」面体なので、線6点6か、あるいはそうでないにしても、線と点は同数だと思われます。しかし、本当にそうでしょうか…? これは目で確かめれば当たり前なのですが、実際に手も動かして(竹ひごの本数を気にしながら)確かめてみると実感できます。
また、以下のような間違いをする生徒には、Sちゃんならどう教えてあげたらいいかとたずねました。
「正方形は、線4つと点4つでできています。その正方形が6面集まって、サイコロの形になります。それなので、線は4×6=24本、点も4×6=24こです」
するとSちゃんは、「えーと…」と言った後、「それだと多すぎで、隣どうしの面をくっつける時に、点が1こでいいところを2こで数えていることになります。それに、線も1本でいいところを2本に数えていることになります」と、しっかりと訂正してくれました。
そして、正四面体(三角形の面が4つ)、正八面体(三角形の面が8つ)も作ってみました。
正八面体では、ちょっといじわるをして、作る前にまず、使える竹ひごとねんど玉の量を決めてもらいました。Sちゃんは、正八面体のサイコロの視察により「竹ひご(線)12本、ねんど玉(点)6つ」と宣言しました。さて、これをぴったり使い切れれば、拍手です。
そこで、またいじわるで、「本当に?」と、次のような言い方をしました。
正四面体 線6 点4
正六面体 線12 点8
正八面体 線? 点?
四面体と六面体では線と点の数が増えています(しかもちょうど2倍です)。そうすると、正八面体は、もっと線と点が必要なはずでは? しかるに、Sちゃんの要求する線と点の数は、正六面体よりも減りますが、それでもいいのでしょうか、と。
そして、実際にSちゃんに作ってもらいました。見事ぴったりの材料で作れました。ということで、私の推論がまちがっていたことになります。
立体(平面でもそうですが)を作る構成要素には、点と線と面があります。最後に、その数(個数)を使って、以下のような計算をしてみました。
正四面体 点4-線 6+面4=?
正六面体 点8-線12+面6=?
正八面体 点6-線12+面8=?
次回は、これについて「なぜ」なのかを、平面の場合からスタートして証明していきます。
亮馬先生のクラスも、「かず」あり「えごころ」あり「ことば」あり・・・ですね。まだまだ他にもありそう(笑)。私もこうやって「かず」やら「ことば」を学びたかったという気持ちがわき上がりました。小学校時代は、一人でぶつぶつ言いながら、似たようなことをして遊んでいましたが、テニスで言えば、一人でいくら壁打ちをしていても面白くないものです。自分の工夫やアイデアを披露し、「おお、すごい!」と認めてもらえたら、もう少しああだっただろう、とか、こうだっただろう、と思えてきます。このエントリーを拝読しながら、そうとははっきり書かれていなくても、たくさんの「おおすごい!」や「よくわかったね」といったほめ言葉が聞こえてきて、いささかSちゃんが羨ましく思えてくるのでした(笑)。