福西です。
3回目は、2段階に分けて問題をしました。
『袋の水晶玉(その1)』
薄暗い部屋を探していると、部屋の隅のぼろきれの中に水晶玉の入った袋がありました。それを僧侶、魔法使い、戦士の三人で分けたところ、二人は2個とり、一人だけ1個とりました。水晶玉を2個取った者は必ずうそをつき、1個取った者はうそも本当も両方言う可能性があります。僧侶 「魔法使いと戦士の取った水晶玉の数は同じはない」
さて、だれが何個とったのでしょうか。
これは予想通り、あっさり解かれてしまいました。
Ke君は「もし僧侶が1個しか取っていなかったら」「もし魔法使いが1個しかとっていなかったら」「もし戦士が…」という「1個とったのは誰か」で場合分けをしていました。
一方Ku君は、「戦士が1個取った場合」「戦士が2個取った場合」「戦士が3個取った場合」と、戦士を固定して解いていました。戦士が好きみたいですね。
『袋の水晶玉(その2)』
さて、今度は明るい部屋を探していると、戸棚の中にまた水晶玉の入った袋がありました。それを僧侶、魔法使い、戦士の三人で分けたところ、1個とった者は一人以上います。2個とった者も一人以上います。全員、1個か2個とりました。水晶玉を2個取った者は必ずうそをつき、1個取った者はうそも本当も両方言う可能性があります。僧侶 「魔法使いと戦士の取った水晶玉の数の合計は2個である」
魔法使い 「僧侶と戦士の取った水晶玉の数の合計は2個ではない」さて、だれが何個とったのでしょうか。
これは答が3つ出てきます。(本当は1つにしたかったのですが、問題を作る時に私が間違えてしまいました)。
しかしながら、Ku君、Ke君ともに答が3つあるという同じ結果にたどり着いていました。そこで、今回の解答は非常に長くなってしまうので、Ke君に代表してもらい、Ku君の解答を割愛させていただくことにします(次回はKu君の方を掲載させていただきます)。
Ke君の答(代表)
T…真実、F…ウソ
Ke君は、水晶を1個取ったのが0人ということはないので、まず1個が1人の場合と、2人の場合に場合分けして考えてくれました(3人ということもありません。なぜなら2個取った者が0人になるので)。そしてその1個が誰かで二段階に場合分けしています。このような望外の進歩に感動しました。
仮定 もし(1個が1人で)僧侶が1個取ったら
結果 僧魔戦
FFF
122
矛盾 あり
理由 魔法使いは2個取ったのでウソつきなのに「(僧侶と戦士の合計は)2個ではない」と本当のことを言っているので(矛盾する。すなわち)、僧侶は2個取っている。
*補足:Ke君の「僧侶は2個取っている」は「僧侶は1個ではない」の意味です。ただし、1個が1人の場合は、です。
仮定 もし(1個が1人で)魔法使いが1個取ったら
結果 僧魔戦
FTF
212
矛盾 なし(1つ目の答)
仮定 もし(1個が1人で)戦士が1個取っていたら
結果 僧魔戦
FF*
221
矛盾 あり
理由 僧侶はウソのことを言っているが、魔法使いは本当のことを言っているので、戦士は2個取っている。
*補足:Ke君の「戦士は2個取っている」は「戦士は1個ではない」の意味です。ただしこれも1個が1人の場合は、です。
仮定 もし(1個が2人で)僧侶と魔法使いが1個取っていたら
結果 僧魔戦
FTF
112
矛盾 なし(2つ目の答)
仮定 もし(1個が2人で)もし僧侶と戦士が1個しか取っていなかったら
結果 僧魔戦
FF*
121
矛盾 なし(3つ目の答)
コメント
実はあともう1パターンだけ、「僧2魔1戦1」が考えられます(この場合は矛盾があります)。それが加わると、Ke君の場合はすべて考えつくしたことになります。と思っていたら、実はKe君はすでに口頭で、「僧2魔1戦1」の場合はありえないことを突き止めていました。というのは、僧侶は2個取ると必ずうそをつかねばならず、それにもかかわらず、僧侶の発言「魔法使いと戦士の合計は2個(すなわち1個ずつ)」が正しいことになります。すなわちありえないと。
つまりこの問題は、計6パターンの場合分けが必要になるわけですが、Ke君はすべて考えつくしていたことになります。よくここまでたどり着きました。
Ku君も同じです。本当によくがんばりました。
*ちなみにこれは、去年した内容と関係しています。思い出してもらえると嬉しいです。
1≦X≦2(X=A,B,C)のとき、
(A,B,C)
=(1,2,2)(2,1,2)(2,2,1) …1が1個の並び替えが3通り
(2,1,1)(1,2,1)(1,1,2) …1が2個(あるいは2が1個)の並び替えが3通り
すなわち6通り
頼もしい取り組みですね。問題は先生のオリジナルなのですね。