かず5年

福西です。
先週と先々週は、『扉の書』(Ⅱ)というのをしました。
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(扉曰く)「我は、常に生きて還りし者を通すにあらず。こころして我を開けよ…」

2年前(3年生のとき)に、これの「Ⅰ」をしたのを覚えていたTiちゃんが、「扉の書、むっちゃ好き!」と言ってくれました。その期待にこたえられるかどうかが心配ですが…。以前よりも難しくなっているので、途中で詰まっても、嫌にならずにがんばれるでしょうか…?

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第一の扉「火の海を馬(チェスのナイトの動き)に乗って越え、宝のありかまでたどりつけ」

これは全員見事クリア。Yu君がまず最初に解いてリーダーとなり、初めてこの手の問題をしたHiにも教えてくれていました。その後で、Hiちゃんがこの問題が最短7歩でいけることを示してくれました。

第2の扉は、文章題です。

ここに、大、中、小3つの水がめがある。
中は小よりも4ガロン多く水が入っている。
また大は中よりも8ガロン水が多く入っている。
3つの水がめの水を全部あわせると49ガロンである。
それぞれ何ガロンかを当てよ。

これは去年からドリルの積み重ねのあるYu君が得意でした。曰く「よし! ぼくは理科の先生になるんやから、教えられる」と。そのように自信を持って行動してくれることは、良いことです。その夢もぜひ応援しています。

第3の扉(見づらいので問題だけ拡大しました)
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「次の土地には1階から5階までの塔(とう)が建っているが、
上からは魔法の霧で隠されている。塔の配置をすべて見破れ。」

これは今までしてきた「ビルの見えるパズル」そのものです。1~5(階のビル)を各列に1つずつ(重複しないように)入れていきます。ただし「→(数字)」がその方向から見た時に見えるビルの頭の数なので、それと矛盾してはいけません。これはTiちゃんとHiちゃんが得意なのですが…。

5マスというのが難しかったようです。結局、先週はここで止まってしまいました。HiちゃんとTiちゃんがいいところまでいっていたのですが、あと1個のマスがどうしても矛盾してしまい、「えー、これでもういいやん」「だめ」で、お手上げ状態。

第3の扉リメイク
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そこで、こちらも難しすぎたと反省し、今週4マスのものに差し替えてみました。するとTiちゃんが期待通り一番早くでき、次にYu君が続きました。これは最後に全員解けたので、ほっとしました。

ところが驚いたことに、Hi君ただ一人が、先の5マスの問題を家で考えてきて、「できた!」と言って持ってきてくれたのでした。確かめると、残念ながらそれには1つ矛盾がありました。そして5分考えてから2度目も、矛盾がありました。そのやり直しにもめげず、3度目の正直で、とうとう本当の答を見つけてくれたのでした。正解を確かめるときのハラハラドキドキが、たまらない様子でした。それで正しい答だと分かり、「え、あれが解けたの!? すごーい!」と、みんなから口々に言われ、一躍ヒーローになったHi君でした。みんなに披露してくれた答は、こうです。

45231
21345
12453
34512
53124

確かに、その通りです。Hi君、よく考えましたね。簡単にしなくてもこの扉を通れたことになります。すごいです。

第4の扉は間違い探しでした。探す箇所は1つだけで、目を皿のようにしてもなかなか見つかりません。それでも最後にTiちゃんが見つけました。

第5の扉(ここから実は少し簡単になっていきます)

12345679×9はいくらか?

 これは計算問題で、筆算を使って全員解けていました。答は111111111(1が9個が正解。8個は間違い)です。これを「1億…」と全員で読んで、扉が開きました。

第6の扉

999999枚の金貨を7人で均等にわけたとき、最後に何枚
あまるかを答えよ。

これも計算問題です。実はあまり「なし」が答です。

第7の扉

2009はいかなる数で割り切れるか?

これは見かけによらず案外難しい問題です。Hiちゃん、Hi君が偶数奇数ということに気付き、Tiちゃんが「そっか! 2009の1の位は奇数だから、偶数で割り切れない。だから、奇数だけを考えればいいんだ」とひらめいてくれました。そこで4人で分担して3、5、7、9…で割ったところ、7がビンゴ。2009÷7=287×7となります。これでまた扉が「ギー」。

第8の扉

次のゲームでゴーレムと対戦せよ。
テーブルに15枚のコインがある。先攻後攻、それぞれ1回ずつ、
1枚から3枚まで取れる。最後のコインを取った者が負けである。

この問題が、この日一番盛り上がりました。なにせ4人が順番に挑戦して、20回挑戦しても、まだゴーレム(私)に勝てません。「このゴーレム、強すぎ!」「ちょっと、もう1回!」という白熱した展開でした。ちなみに先攻後攻は、自分たちで決められます。さて、どうするのがいいのでしょうか…。

実はこの問題の必勝法を、このクラスより先に「扉の書」をした6年生のクラスで、Ke君がすでに見つけており、それを私も知っていたので、何度やっても私が勝ってしまう、と言うわけでした。

けれども、そのゴーレムの動きを見ていて、だんだん常に同じことをしているケースが見つかってきました。「このゴーレム、先手のときはいつも2個取っている」と最初に見つけたのは、Hiちゃんでした。その後、「私たちがいつも負けるときは、5枚残ってこちらの番になるときや。だからゴーレムはいつも5枚になるように調整しているんや」「奇数が怪しい!」となりました。

そして何度も負けながら、自分たちの負けパターンを研究しているうちに、つまりゴーレムがどんなことをしているのか(すなわち勝ちパターン)が分かってきたのでした。
「いつも私たちの番で5枚残ってしまうけれど、5枚になったら負けなんや。だから、そうならないためには、もっと前で防がないと」
「分かった! ゴーレムはいつも9枚になるように取っているぞ! 9枚になったら、こっちが負けるんや!」
「だから、こっちも9枚にしたらいいんや!」
と。そこでどうやったら9枚に出来るかを考え、とうとう、

「先攻を選んで、最初に2枚取ったらいける」

という核心にまで迫りました。それでも何回かは勘違いをしてしまって、負けてしまいましたが、とうとう勝利をもぎ取ることができました(このときは、Hiちゃんの番でした)。どどーん(ゴーレムの崩れ去る音)

そして第9の扉は、とても簡単です。

「日本の県庁所在地で、もっとも短い名前はどこか?」

「那覇?」「いいえ」「えー…」「2文字よりも短いってことやんな」「ってことは1文字?」そこで、
「三重県の津?」
と言ったのは、Hi君。正解!

ここでしかし、帰る時間が来てしまいました。来週は、いよいよ残すところ、最後の「第10の扉」です。