福西です。この日は久々に「かるた大会」を開きました。
今回はトーナメントではなくてリーグ戦で、2回戦を行いました。特に2回戦目が、どの取り合わせも好カードでした。読み上げの札がわずかになるまで、一進一退を繰り返す光景が多く見られました。
「あまのはら、とれた!」(みかさのやまに)
「さしも、とれた!」(かくとだに)
「きりたち、とれた!」(むらさめの)
「くもが、とれた!」(めぐりあひて)
「わが…」でバン!という音。(よをうちやまと)
「もも…」でバン!という音。(なほあまりある)
(自分の名が『せ~』だから)「これ絶対とろう!」という声。(われてもすゑに)
ほかにも、
「いにしへの」、
「おおえやま」、
「きりぎりす」、
「ほととぎす」、
「あはぢしま」…。
それと同じくらいの数の、心の中から聞こえてくる、
(ねらってたのに、とれなかった~)
という声。
開始前こそは、男の子から、
「かるたって、そんなにやりたくない…」
という声が聞かれました。恥ずかしかったり、場の空気に呑まれたりしたのだと思います。
けれども、実際に一首がとれてみると、それが印象深かったようです。
あとは百人一首の持つ魅力に任せるだけで、夢中かつ真剣になってくれていました。
一首をとれた後。また、とられた後。
それぞれが次の札が読まれるのを待つ表情は、まるで水面のようでした。
数で負けていても、ねばり強く。
一首一首に集中する。
見渡す限り、「せめぎあい」という言葉がふさわしい、真剣勝負が繰り広げられていたと思います。
私自身も読手をつとめていて、こんなにも張り合いが持てる時間はありませんでした。
「前よりいっぱいとれた」から、うれしい。
「狙っていた札がとれた」から、うれしい。
「連続でとられた」から、くやしい。
「最後の一枚がとれなかった」から、くやしい。
決着がつき、勝った人は、さらにうれしそうでした。
また、負けた人も、次につながるようなくやしがり方をしていました。
以下はそのような会の様子を、ギャラリーでご覧ください。(写真を2回クリックすると、拡大されます)
最後に、
「『今日、これを取ろう』と思ってた札が、取れた人?!」
と聞くと、取れた瞬間のことを反芻して、うんとうなずいたり、手が上がったりしていました。それだけでこの会の目的は達せられたようなものです。
はじめての人も、歌を覚えて臨んでくれた人も、それぞれにドラマと思い出を作って帰ってくれたことを、ありがたく思いました。次回もよかったら参加してください。
参加した全ての人にとって心に残る取り組みだったと思います。