福西です。冬学期1回目。この日から新しく、1年生のSiちゃんがクラスに来られました。
百人一首の中から新しい歌を紹介し、暗唱しました。
あらしふく みむろの山の もみぢばは
たつたの川の にしきなりけり
能因法師
前回の「このたびは」からの、もみじ続きです。
山の上の庭に行くと、先週まではあった、紅葉がすっかりなくなっていました。その分、空が広く感じられました。また、月がくっきりとかかって見えました。満月が待ち遠しくなるような明るさで、後で調べると、月齢は9日だったそうです。(半月よりやや膨らんでいました)。
風が強い日で、あたりには、何もない、寂しい気配が漂っていました。今がちょうど、秋と冬の間なのだなあと感じました。
バプテスト病院の方へ降りる坂に、落ち葉が大量に積もっている場所があり、そこを歩きました。「黄葉」と書く方の黄色いもみじでした。
「別の方の坂道を見に行きたい」とA君が言うので、そちらを回ってからお部屋につきました。途中、M君が京都タワーや大文字の舟形をみんなに指し示していました。
部屋に戻ってきてから、俳句を作りました。Siちゃんは、最初ドキドキしていたようでしたが、一字一字、濃い字で、「風ともみじ」、「月」のことを書いていました。
M君は、坂道を幼稚園で毎日通ったことを思い出して、それを詠んでいました。
Rちゃんはさっそくお母さんに作ってもらった色紙を使っていました。また、E君とA君は、カブトムシやカニが思い出されたらしく、それを俳句に詠んでいました。
残りの時間は、『火よう日のごちそうはひきがえる』(エリクソン/作、佐藤涼子/訳、評論社)を読みました。
(Rちゃんは、先週テキストを渡した時に、全部読んでしまったそうです^^;)
冒頭は、 かえるの兄弟のモートンとウォートンがいる穴倉の様子です。弟のウォートンが、「モートンの作るカブトムシのさとうがしはさいこうだね」と、その料理の腕を褒めます。「そりゃどうも」と、モートン。
そこで話が終われば、そのあとの事件は何も起こらないのですが、ウォートンが次の瞬間、そのカブトムシのさとうがしを「トゥーリアおばさんにも届けたい」と思い立ちます。でも今は真冬。外にはすっかり雪が積もっています。けれども思い立ったら吉日、何としてでもやり遂げる気概を持ったウォートンは、防寒をしっかりして、スキーですべっていく計画を立てます。
そして、いざ外へ・・・というところで、時間が来ました。
【追伸】
以前、この本についての文章を、 「こちら」に寄稿したことがあります。あわせてご一読いただければ幸いです。