こんばんは上尾です。
今日は、前回を踏まえて二種類の課題を用意しました。
さて何事であれ、チャレンジだとか力試しとかの後には、きちんとフォローをすることによって、本当の力がつくというものです。現在、大枠で取り組んでいるのは、「比」あるいは「比例」の感覚の中で、掛け算・割り算を捉えようということです。前回の導入の時間で浮かび上がった課題に即して、今回は、二種類の課題を用意しました。
ひとつは、二つの数字の関係を、「掛け算」、「割り算」双方の側から捉える問題です。例えば、2と4という数字は、2から見れば「2倍」ということですが、4の側から見れば「÷2」ということです。この基本のことを身につけておくことは意外と大事であると考えて問題を作りました。
もうひとつは、具体的な数字を整理して、比として表す練習です。例えば、5個対10個という関係について、それぞれの数字が九九の5の段に関係していることを発見し、それから簡単な数字――この例では1と2――に直すということを行いました。
今日はこれら二つの課題を順番に行っていきました。前者の課題は、さすがこれまでも何度も掛け算や割り算の問題に取り組んできただけあって、みんなスムーズに進めていくことができました。ちょっと難しい計算の部分に少し戸惑うことはあっても、落ち着いて取り組むことで攻略できていました。後者の課題では、少し新しいことをやっているということもあって、前者ほどスムーズではありませんでしたが、内容の説明を聞くと理解して問題を解くことができたようでした。しばらくは同様の課題を、角度を変えながら提示して、「比例」の感覚に馴染んでもらうつもりです。もちろん今後も時に、難しい壁にも立ち向かってもらう予定です。
学校の勉強でもなく、一般の塾でもない、まさに山の学校的な取り組みであると思いました。そう言うと、前者の教育機関に反論されそうですが、山の学校は、先生の裁量の余地が大きいのが特徴であり、我々の誇りです。一人一人の先生が、生徒一人一人の顔を見て、その子の未来に本当に有益だと信じることを教育している、と言えないでしょうか。これが山の学校のアイデンティティであり、とりわけ、この日の取り組みに如実に表れていると思いました。