こんばんは上尾です。
今日はいつもと少し違った感じでクラスは始まりました。
全体で取り組むようにしてきました。今までブログで紹介した
ように、「比」の考えに触れながら、掛け算・割り算の相互関係に
馴染むことがひとつの目標です。
今日もそのようなわけで、プリントを用意していましたが、
奇遇にも複数の子供達から、自分の持ってきた課題をやりたい
という声があがったため、予定を変更し、それぞれが何をするかを
ちゃんと決めた上でそれに取り組むということにしました。
I君は、普段家でやっている問題を持ってきて、それを
他の人にも配り、紹介してくれました。またY君は、授業前の
休み時間の時からやっていた問題集を続けることにしました。
K君は、自分で持ってきたドリルなどいくつかの選択肢がある
中で、最初は迷っていましたが、最終的に、私の用意した
プリントを選んでそれに取り組むことにしました。
R君も同じく、ひとつの課題に決めて取り組むまでに少し時間が
かかりましたが、最終的に私の用意したプリントに取り組むことに
決めました。
ところで、どのような課題をどのような仕方で出すかという点は、
これまでもしばしば悩んできたことです。このクラスは男の子の
集まったクラスで、基本的に元気が余っているため、それぞれに
黙々と自習を課すという仕方では上手く回りません。四人くらいの
集まりでは、なかなか自分のことのみに一時間打ち込むというほどの
集中力を維持することは困難なようで、どうしても周りの人のことが
気にかかり、ひいてはそれが自分の課題からの逃避にもつながってくる
ということが起こります。
そこで現在は、むしろ同じ課題にみんなで参加していくという
仕方をとることで、それぞれの子供達の間で使われるエネルギーが、
課題の解決のほうに向かうようにと考えていました。
実際、難しい課題のときなどには、ちょっとしたヒントを出し合ったり
するような仕方で、コミュニケーションと勉強との両立が為されるような
場面が見られます。
打って変わって、今日は面白いほどに自然と、
「それぞれの課題をこなす」という方向にみんなが向かったわけでしたが、
それは子供達が「自分自身のための勉強」ということをしっかりと
意識していたからだろうと思います。
この意識、普段から「持て、持て」と言われているからこそ、
子供達にとってはいっそう持ちにくいものだろうと思いますが、
今日の子供達にはそれが垣間見えました。
この意識を維持しつづけることはさらに難しいことですが、
今日のようなモチベーションで勉強することを忘れないで欲しいと思います。
上尾先生に限らず、山の学校の先生方はみなさん「懐が深い」といいますか、子どもたちをリードしていく方向をしっかり念頭に置いた上で、毎回柔軟に授業内容を展開してくださっていることに感謝申し上げます。そうした具体的な様子をこうしてブログで拝見できることは、とても興味深く思われます。
先生が示唆される「男の子のエネルギー」の問題は、幼稚園の男の子の活動を見ていても、大切な話だと実感します。このことについて最近気づくことを書くと長くなるので控えますが、キーワードは「バランス」という言葉だと思っております。
その意味で、先生が今回お書きくださったように、「みなで共通の課題に取り組む」やり方と、「個々に自分の課題に取り組む」やり方の、双方のバランスをうまくとることが大事だという視点はたいへん示唆的だと感じました。