岸本です。
いつにもまして、今日は暖かな日だったので、ウォーミングアップもそこそこに、みな難題に熱心に挑んでくれました。
今日は、たし算のブロック計算と、前回のたし算クロス、宝探しの続きを行いました。
共通するのは、幾つかの数字を組み合わせて、指定された和を作っていくことです。
このパズルは「1~4までを使う」と明言され、「タテ・ヨコの各列には1~4が一つずつ入る」というヒントがあるのが、特徴です。
これについては、取りかかるやいなや、ほとんどの子が容易に解いてくれました。
たし算クロスのウォーミングアップとして出題したのですが、「準備運動にもならない」という余裕の声も聞こえました。
けれども、このパズルで、全て異なる数を足してある数を作り出すには一定のパターンが必要だということに、気づいた子供さんもいました。
実はこれこそが、続くたし算クロスを解くヒントになるのです。
例えば、「3」を作り出すには、(1,2)の組み合わせしかありません。(今回の説明では、数の順番は考慮していません。)
「4」なら(1,3)、「5」なら(1,4)・(2,3)、…「10」なら(1,2,3,4)と言った具合です。
それに気づいた子が出始めると、浅野先生がホワイトボードに、それぞれの数を作り出すためのパターンをほとんど全て書き出してくれました。
それを参考にしてもらうと、苦戦しつつも、皆少しずつ解くことが出来るようになりました。
早い子は2問とも解き終え、その他の子供さんも1問は解ききることができました。
最後の宝探しは、Windowsならおなじみのマインスイーパーと同じルールのパズルで、あるマスの数字は周囲にかくされた宝物の数を表しています。
全体にかくされた宝物の数とつじつまが合うように、宝物がどのマスにかくされているかを探していきます。
一見簡単そうですが、解いてみると、予想以上に矛盾が出てきます。
子供たちも、勢いよく宝物のありかに丸印をつけていったかと思えば、途中で行き詰ってしまうという悪戦苦闘を繰り返していました。
結局、このパズルは誰も解けなかったので、来週はヒントをいくらか出した上で、改めてこの強敵に挑んで欲しいと思います。
子供たちは、こうした取り組みに真剣に取り組んでくれているのですが、特に問題が解けないときには、どうしても「やらされている」という意識をもって、モチベーションが下がってしまうときもあります。
それが上手く解消できるよう、私たちはヒントを出したり、一緒に考えたりしているのですが、その意識が払拭できないこともままあります。
子供たちが、喜んで解いてくれるようになって欲しいと思いつつ、ヒントの出し方や、問題の選別には、より力を入れていこうと思います。
相当込み入った内容の取り組みだと思いますが、丁寧に説明してくださり、ありがたいです。後半のパズルにてこずった様子ですが、こうしたみんなが「できない」という状況も、次の飛躍のためには欠かせない舞台設定だと思います。
視点を変えて中学、高校の勉強を振り返ってみても、授業時間内に「解決」できる問題演習がほとんどでした。というより、授業というのはそのような前提でできているようです。ところが、高校1年のとき、ある数学の先生が次のように言われました。
「数学の問題はすぐにできなくてもいいのだ。一晩考え続けて解けたらどんなにすばらしいだろう。かりに、それで解けなくても、取り組んだことに大きな意味がある。」
私の予想というか、希望を述べますと、今回解けなかった問題について、来週「できた!」と得意げに先生に伝える子が一人か二人いるということです。そうした子が一人か二人いることで、他の子どもたちも、よし、やろう、という気持ちのおすそ分けをもらえるでしょうし、次の機会には、そうした子が「先生、家でやったらできたよ!」と言えるのではないかと楽しみにしています。
長々書きましたが、一言で締めくくれば、No pain, no gain. ということであります。
>岸本先生
丁寧なご報告をありがとうございます。昨日の様子がよく表れているので、時間が経ってからこの記事を見たとしてもこの日のことを思い出しそうです。
>こうしたみんなが「できない」という状況も、次の飛躍のためには欠かせない舞台設定だと思います。
実は前半の足し算クロスでも「できない!」という声があちこちから聞こえてきました。K・T君は「こんなん絶対できひん!もうやめよう!」と言っていたので、私は「絶対…いや、たぶんできるよ。ともかくやってごらん。」と答えました。案の定彼は数十分もしたら一番乗りで完成させ、友達に的確なアドバイスをしているほどでした。
一見難しそうな問題でもいろいろと考えながら挑戦していると何かが見えてくるという体験をしてもらえたらなぁと思います。最終的に解くことができようができまいが、手応えをつかむことが大切です。