岸本です。
今日は、前回の石取りゲームの続きを行いました。
前回、必勝法に気づきかけた人もいましたが、果たして今回はどうなったのでしょうか。
上がったのは以下のとおりです。
「相手のときに、奇数にする。」
「相手のときに、5個(9個、13個)にする。」
「最初に3個とる。」
どの方法も、必勝法に近いものです。
これらをみんなで共有した上で、実際のゲームを始めました。
ここで必勝法の種明かしをば。
相手の番でラスト一個残すようにするには、その前の相手の番で石を5個にする必要があります。
そうすれば、相手が1~3個まで、何個石を取ろうとも、次の相手の番で石を一個にすることが出来ます。
次に、相手の番で石を5個にするには、その前の相手の番で石を9個にする必要があります。
更に相手の番で石を9個にするには…、と考えていけば、相手の番で石を13個、17個にすればよいことになります。
スタート時の石の数は20個ですから、先攻を選んで3個の石を取っていれば、必ず勝てることになります。
さすがに前回から何十回もゲームを繰り返していると、この必勝法に気づく子が何人も出てきました。
彼らは残りの石の数を数えながら、慎重に石を取っていきます。
次第に、私たち講師に勝つ頻度も高くなっていきました。
必勝法に気づいた子の中には、後攻での必勝法を考えてくれる子もいました。
まだ必勝法が確立していない子との対戦では、後攻でも勝利できますが、私たちとの対戦では後攻では勝つことが出来ませんでした。
最終的には、他の子供たちの対戦結果からも、後攻では私たちに勝てないと気づいたようでした。
また、なかなか必勝法に気づかなかった子が、ある友達からアドヴァイスを受けて、急に勝ちやすくなったということもありました。
そのアドヴァイスとは、最初に3個とった後からは、相手がとった数と自分が取る数の和が4になるように石を取っていくというものでした。
例えば、相手が3個取れば自分は1個、2個取れば2個、1個取れば3個というようにです。
これこそが、必勝法を一番簡単に覚える方法だったのです。
これさえ覚えていれば、残りの石の数を数えなくても、最初に3個とって、あとは相手の取る石の数に合わせて石を取っていけばいいのです。
出遅れた子が、一つのアドヴァイスであっという間に一番効率の良い必勝法をマスターできたことは、協力プレイの醍醐味ともいえるでしょう。
最終的に、こどもたちはみんな私たちに勝利を収めてくれました。
ただ、このゲームは、最初の石の数を変えて挑戦するなど、いろいろ応用がききます。
今回はみんな必勝法を体得してくれましたが、そのほかのルールでも必ず勝てるよう、考えてみるのも面白いもしれません。
子どもたちの生き生きした活躍が頼もしいです。経験から法則を導くというパターンは人間の知性のなせるわざですね。あそびは勉強とよく言いますが、煎じ詰めるとこうなるという見本のようでした。
将棋や碁の取り組みも、この発展バージョンか知れません。ということで、またご案内しますが、3月16日(火)の16:00~18:00、「将棋道場」を開催します。