福西です。
最近、プリントをたくさんしたがるので、それをしています。特にE君とA君は、「今日はこんなにやったんかー」と自分で束をつまんで、達成感を持ってくれるようです。何よりです。2年生はかけ算、1年生は足し算、あと共通で、間違いさがしをしました。
残りの時間は、『壺の中』(安野雅一郎/著、安野光雅/絵、福音館書店)を読みました。
壺の中に海があり、海の中に1つの島があり、1つの島に2つの国があり、2つの国にそれぞれ3つの山があり、3つの山にそれぞれ4つの城があり、4つの城にそれぞれ5つの町があり、5つの町にそれぞれ6つの家があり、6つの家にそれぞれ7つのたんすがあり、7つのたんすにそれぞれ8つの箱があり、8つの箱にそれぞれ9つの壺があり・・・とまできて、最初にまた戻ります。
(かなり気に入ってくれた様子で、次の週も、内容というか順番をまだ覚えてくれていました!)
途中から出てくる、「それぞれ」という言葉が、このお話のテーマです。
うっかり読み飛ばしそうになりますが、この「それぞれ」に、「かけ算」のニュアンスが込められています。また、単調にならないように、「それぞれ」をあえて強調して読むと、リズムが出てきます。
Rちゃんが、増えはじめた数を、「まって!」と、率先して前のホワイトボードで計算し始め、追いかけてくれました。
1×2=2
1×2×3(=2×3)=6
1×2×3×4(=6×4)=24
1×2×3×4×5(=24×5=24+24+24+24+24)=120
1×2×3×4×5×6(=120×6=120+120+120+120+120+120)=720
と、ここまでがんばって計算してくれました。
「もう、むり~!」
と(^^)なりました。Rちゃん、ご苦労様でした。
そのあともまだまだ増えていく様子に、生徒たちは「わあ」と圧倒されていました。この時期は、大きな数に興味が出てくるようです。ワクワクしてくれたので、よかったです。
5分だけまだ時間があったので、秋学期の最後の授業は、「ぼうずめくり」でしめくくりました。
P.S.
休み時間に、E君が「これを教えてほしい」と持ってきた問題集を見ました。応用問題を集めたものでした。はじめてその問題を目にした人には、じっくり考える必要があるもので、何に着目すればよいかに、慣れが必要だと感じました。それを短時間でたくさん解かなければならないテストのようなものがあったそうです。
E君は、2つの問題について、私からの説明を聞き終えた後に、最後にこう言いました。「こんなにたくさん説明を聞かないと分からへんような問題を、1人でやったら、よけい分かるはずがない」と。E君の言い分は、確かに筋が通っており、私もE君への説明を丁寧にすればするほど、その通りだなと思いました。「自分だったら(自分がもし小学2年生の頃に)、はたしてこれを解ける(解けた)だろうか」と。その意味で、E君の言葉は、傾聴に値すると思いました。おそらく、根幹にあることは、「応用問題をいきなり解くことは苦痛である」ということなのだと思います。基本から勝ち癖をつけ、階段を刻む必要があると考えました。