福西です。1クラスだけ連続ですみません。順次クラスごとにアップしていくつもりですので、よろしくお願いいたします。
2/24と3/3の記録です。(やっと先週まで追いつきました^^;)
2週間にわたって『扉の書9』をしました。
最初の問題は、5の倍数を通ってゴールするもの。「扉の書」ではこれまでにも「偶数」「3の倍数」などが出てきたので、これも簡単にクリア。
しかし、4問目が予想を上回る難しさでした。
「分岐点では、角度の最も小さくなる道を通らねばならない」という迷路です。適当にたどっていって、最初の5分ぐらいでゴール直前まではいけるのですが、その後がなかなか大変でした。
というのも、「最小角度」というのが非常に厳しい制約で、それがあるおかげで、なかなかぴったりゴールにたどりつけないのです。しかも途中で一度はまると抜け出せなくなる場所(ループ)がいくつもありました。それを回避するために、「どの分岐点にどの方向から来れば、ループしてしまうか」をひたすらゴールから逆順で考えて、しらみつぶしにしていきました。(赤ペンの線が、ぐるぐる回っている証拠です。私も一緒に考えたのですが、思い切り迷わされました^^;)
結局週をまたいで、長丁場になりました。そして2週目の授業でもほぼ1時間が経とうとした頃…
「やっとできた!」
見事クリア! その嬉しさと言ったらそうそう筆舌には尽くせません。「…やっぱり適当に行こうとすると、だめなんやなあ…」と私が反省交じりにつぶやくと、Sちゃんはほっとしたせいか、くすりと笑っていました。
結局最後は、Sちゃんの得意のロジックが功を奏しました。まずゴール手前の点(ポイント)をすべて調べ上げて、「ゴールにたどりつける(分岐)点はどれか」を見抜く作業からはじめました。そして「その点にたどりつける点はどれか?」と、必ず通らなければならない点を、順次延長させていく方法を取りました。
もちろんこの作業には、あとで「実はこっちの道が通れた!」という「もれ」があってはならず、場合分けを「すべて」完成しなければなりません。しかしその判断が、この問題では困難を極めるのでした(やってみると分かります!)。というのは、この迷路の「点」はどれも「有向性」を持っているからなのでした。つまり同じ1点でも、「左→右」と通るとループしてしまっても、「右→左」と通ればうまく通れることがあるのです。これを見抜くことが、解くカギでした。
(先週は、この有向性に気付かず、ゴール手前の点が全て「ゴールにたどり着くことは不可能」と勘違してしまったのでした)
さて、ゴールから考えていって、途中、通過ポイントを4つ設定し、今度はスタートから「そこにたどりつくための道順」を考えました。そして試行錯誤の末、40手目に、ゴールにたどりつくことができました。(ぜひ、上の写真で①→②→③…と、途中までたどってみて、その困難をご想像下さい!)
「前の足し算パズルの問題とどっちが難しかった?」と聞くと、「こっちの方が難しかった~」とのことです(^^)
というわけで、Sちゃんはまた一つ、自信のエピソードをつけ加えてくれました。
いや、本当にすごかったです。1つの学期に授業は12回ありますが、この1問を解けただけでも十分おつりが来るくらいに思います。(授業料を頂いている側がそのセリフを吐くと、ちょっと不謹慎ではありますが(笑))
Sちゃんの頑張りに感動した2週間でした。
山びこ通信に載せたいエピソードでしたね。ご本人が大人になったとき、きっとふりかえると懐かしい思い出の一こまだと思います。こうした先生の克明な記録と先生のコメントがあれば、その思い出がいっそう鮮やかによみがえり、かつ、輝くと確信いたします。それは、生徒さんにとっても先生自身にとっても。うらやましい限りです。