福西です。4/15の記録です。
このクラスは昨年度から引き続き、H君とのマンツーマンです。春休みに案内させていただいた、クラスの方針は以下の通りです。
「論理パズル」と「工作」をします。論理パズルは証明問題を解くことと同じであり、それを通して論理的思考力を磨きます。また工作では、「形」を通して幾何学的な直観を養います。さらに帰納的に物事を発見する力を身につけ、学校で演繹的に得られた知識とのバランスを心がけます。
また家で自主的にしたドリルについては、持って来てくれれば丸付けをし、後日間違いの箇所だけを集めた「見直しドリル」を渡します。
次の計算を指示に従って解きなさい。
0.12÷0.7
1)四捨五入して1/10の位まで求めよ。
2)上から2けたの概数にせよ。
3)商を1/10の位まで求め、その時の余りも答よ。
「小数の割り算」と「およその数」との複合計算です。実はこの手の計算は、私が小学生の頃には割愛されており、今はそれをしているのだなと思って驚きました。
#正直言うと、3)の「余り」などというのは実際には求める必要のない情報なのですが(理工系では、小数は必ず「約」(誤差何パーセントという形)で答を出します。言ってみれば「仮分数を帯分数に直せ」みたいな話で、小学生の間だけのお付き合いです)、でもそれができないことで苦手意識につながってはいけないと思ったので、ひとまずフォローしました。
0.17
——–
0,7)0,1.2
7
—
50
49
—
1
(”,”は消した小数点、”.”が新しい小数点)
よって、
1)の商は、四捨五入して0.2となります。
ちなみに実際では、筆算の下に続けた50-49の部分は不要で、商の次の位に5以上が立つかどうかを判別できればよいです。今だと7(5以上)が立つので、ただちに繰り上げて0.2とします。
一方3)では、50-49まで計算を続ける必要があります。そして出てきたあまりの1ですが、これを何と答えたらよいでしょうか。1? それとも0.1?
実は、計算の途中で小数点を消して移動させましたが、この余りを答えるときには、最初の小数点の情報が復活します。つまり、最初の小数点(0.12)を1のあるところまで下ろしてきて、0.01となります。
0,1.2
↓
↓50
↓49
—
0.01 (消した”,”がまた小数点に復活)
2)の計算は、1)をもう一段続ける必要があります。と言っても、四捨五入を判断する位が1つずれるだけです。
0.17 ←「あ、次に1が立ちそう。だからこのままでいい」
——–
0,7)0,1.2
7
—
50
49
—
10
というわけで、2)の答は0.17となります。このように場合分けできるようになるには、「四捨五入」や「概数」といった小数以外の知識もよく整理しておく必要があります。
ただH君は、自分でも春休みの間にさらに特訓を課していたらしく(自分で弱点を克服しようと思っていたらしいです)、この見直しドリルをして私が見た時には、すでに上記の要領をよく把握してくれていました。それを今回はほめました。
残りの時間は、ひねもすで船を作る続きをしました。少しオールの位置を調整しただけで、20分があっという間にすぎてしまいました。来週までに家で船首の「竜頭」を作ってきてくれるそうです。完成が待ち遠しいですね。
H君は根性がありますね。山の学校で学んだ事を日常生活の中でも生かしてくれているのが嬉しいです。