福西です。秋学期にした和歌と俳句です。
あまのはら ふりさけみれば かすがなる
みかさの山に いでし月かも (安倍仲麿)
ひとはねて かごのまつむし なきいでぬ 子規
月見れば ちぢにものこそ おもひけれ
わがみひとつの 秋にはあらねど (大江千里)
はつしぐれ さるもこみのを ほしげなり 一茶
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに
きりたちのぼる あきのゆうぐれ (寂蓮)
さびしさに やどをたちいでて ながむれば
いづこもおなじ あきのゆうぐれ (良暹)
昨日11月5日の月(後の十三夜)もそうでしたが、9月8日の十五夜、10月6日の十三夜と、今年は月がよく見えたように思います。
秋の日はつるべ落とし。「ことば」と「かず」の間にある休憩時間に、以前は山の上のお庭で遊んでいましたが、今は17:30をすぎると、すっかり暗くなっています。一人、その時の西の空の様子を見て、「この色がぼくは一番好き」という生徒がいました。
「さびいろ」という言葉を教えると、大事そうに、その次の週も、そのまた次の週も、同じ西の空を見て、「さびいろって好き」と繰り返してくれていました。
「おもちつきの月とは違うけれど、今日の月も、すごくきれい」
と、くっきりと浮かぶ三日月を見たこともありました。確かにそうだと感じました。
あとで聞くと、それには「バナナ月」という名前を付けたそうです。