『かず』(3〜4年),『中学数学B』,『高校数学』クラス便り(2014年11月)

「山びこ通信(2014年度秋学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『かず』(3〜4年),『中学数学B』,『高校数学』

担当 浅野 直樹

 この8月には「勉強とは何か?」トークイベントを開催しました。その準備として勉強法に関する本をまとめて読みました。その過程で考えたことをここに記します。

 数学にはひらめきのようにセンスを問われる部分もあれば、地道な努力を重ねて練習すればできるようになる作業的な部分もあると考えるのがよいと感じました。

 「私には数学のセンスがないから勉強しても意味がない」といった言葉がしばしば聞かれますが、数学的センスを養うことができるかどうかは別にして、少なくとも作業的な部分は勉強することで大いに改善されます。身近な京都府立高校入試を例にとっても、大問1の計算問題だけで15点近くの配点があり、その後の部分にもごく基本的な問題があるので、作業の部分ができるだけで20点は取ることができます。そして20点取れればおよそ府立高校に合格することができます。

 数学は暗記科目か否かという問いもこの観点から整理できます。センスの部分は暗記ではどうしようもないでしょうが、作業的な部分は暗記で対応できそうです。しかし暗記で対応するといっても数字や式を丸暗記するのは馬鹿げています。数学は暗記科目だと主張する人の真意は、手を動かさずに何時間も考えるより答えをさっさと見て作業の練習をしたほうがよいということです。自分の忘れていたルール、思いつかなかった解法を確認して、作業の練習に励めということです。例えば三角比で言うと、三角形で2つの辺とその間の角がわかっているなら、残りの辺の長さを求めたければ余弦定理、面積を求めたければsinを活用するといった解法を前提にして初めて作業的な部分に入ることができます。

 作業的な部分そのものは根気強く練習するのみです。かず3〜4年クラスの『ウォーリーをさがせ』や迷路はルールに従って粘り強く取り組めば必ず完成するので、数学的な作業を完遂する練習になっていると思っております。