「山びこ通信(2014年度秋学期号)」より、下記の記事を転載致します。
『かず』(1〜2年 A・B)
担当 福西 亮馬
A、Bクラスとも、『まちがいさがし』と『迷路』をよくしています。また最近では、定番の『足し算パズル』も、慣れた人から順に3マスから4マスへと変わり、手ごたえ・歯ごたえを増やしています。パズルの詳細はここでは割愛し、山の学校のブログの方に書くつもりですが、『ビルの見えるパズル』や『桂馬跳びのパズル』など、新手のレパートリーも少しずつ増やしていく予定です。毎週ごとに用意した課題はあっという間に底が尽きてしまい、丸付けが追いつかないぐらいです。プリントを綴じているファイルもかなり分厚くなってきたこの頃です。
1~2年生を見ていると、解けた時の喜びようは、それはたいそう、すごいものがあります。『まちがいさがし』で誰もまだ見つけていない箇所を自分で見つけた時など、両腕で答案を覆い隠しながら、あたかも企業秘密のように、そっと私のところまで見せに来ます。「ここは何が違いますか?」(ひそひそ声で)「こっちの絵は~があるけど、こっちにはそれがない!」「正解!」「やったー!!」(大声で)と、そのような調子で、いい意味での繰り返しがあります。粘り強く、「なせばなる」ということが体験できるのも、算数ならではの特徴です。ただし何事も最初から一足跳びにというわけには行きません。時には時間を区切ってヒントを出す必要もあると感じます。ただしすぐにそれを要求する生徒たちには、少し踏ん張ってもらい、その時間を少しずつ伸ばしていけるように配慮しています。それぞれの階段にある、それぞれの一歩を大事に見ています。
一方、『考えて解く迷路』になると、大人でも十分に頭を使うものがいくつもあります。そのような(見た目以上の)難問に挑戦する生徒たちの顔を見ていると、最初は意気揚々でも、正解にたどり着くまでの間、何度も葛藤を経ているようです。それで、さっきまでの顔から一転して、「できた」と言うのを見ることほど、驚くことはありません。それは純粋に、大人だからや子供だからという理由を抜きにして、それまでの潜考に対して敬意を覚える瞬間です。