ダーリントンホールでの重要な会議が近づいてきました。
ヴェルサイユ条約の改訂がその会議のテーマです。主人公の父はその会議の2週間ほど前に転倒してトレイを運ぶのを禁じられましたが、トローリーを押すことでほとんどの仕事をすることができています。ケントンさんは主人公から細かい確認を何度もされて怒ります。
If only I had as much spare time as you evidently do, then I would happily reciprocate by wandering about this house reminding you of tasks you have perfectly well in hand.
あなたが明らかにお持ちであるほどの空き時間を私も持っていさえしましたら、そうしたら私は喜んで、この館をぶらつきながらあなたが完璧によく手の内におさめている仕事について思い出させて返礼して差し上げますのに。
典型的な仮定法の表現ですね。
ケントンさんは主人公と口を聞かないと言い張ります。
それでも会議に向けて仕事はたくさんあり、さらにダーリントン卿から特別な任務を与えられます。結婚を控えている、デイヴィッドさんの息子にthe facts of lifeを教えてやってくれという任務です。
I was, as you might imagine, a little taken aback by this request and ordinarily the matter might have been one I would have spent some time pondering.
私は、みなさまがご想像されますように、この要求に少しばかり面食らいました。通例ならそうした事柄は、私が考えをめぐらすのにいくらかの時間を費やしていただろうものだったかもしれません。
文の後半はmight have, would haveなどがあるので仮定法っぽい表現です。if I had had enough timeなどを文末に補ってもよいかもしれません。ここを読んだ時点で、主人公はこの任務をゆっくり考えずに実行しなければならなかったのだとわかります。
そして実際すぐに任務を試みる機会が訪れます。その息子は真面目な青年でした。主人公はしばらく彼と話しますが、どうも誤解の上にコミュニケーションが成り立っていたようで、結局任務を果たせなかったと気づきます。
‘That is, of course,’ he said, sitting up again suddenly, ‘unless Father has come up with an entirely new factor he wants me to think about.’
彼はまた突然立ち上がって言った。「それ[アタッシュケースを開けること]はもちろん(気まずいことだよ)。父が私に考えてほしい全く新しい要因を思いついたのでなければね。」
この部分の意味がわかりづらかったです。That isの後にはその前文のmost awkwardを補うしかないでしょう。アタッシュケースを開けるのは、父がその中に入っている資料を必要とするときだけだという意味でどうにか理解はできました。
主人公はこの任務を果たす次の機会を探りますが、アメリカからのルイスさんが早く到着したので持ち越しになります。ルイスさんは今のところダーリントン卿の仲間になってくれそうな雰囲気です。
主人公が例の任務にもう一度挑戦するあたりで時間になりました。