2年生のE君の作品です。
『カブト虫』 I.E.
八月にかながわけんのふじさわに行きました。そして里山公園というところに行って、そこの山に行きました。そこで木の下をほりました。何もとれないと思いました。そこで山で一年生の子が「いっしょに虫さがそ。」といったのでぼくが「いいよ。」といっていっしょにやりました。その子のおじさんがへんてこなカイコみたいなイモ虫を見つけました。ぼくはきもちわるいと思いました。
そのあとに土をほっていたらカブト虫が出てきました。またちがう木の下をほってみたらまたでてきました。一年生の子はまだとっていなかったので一ぴきあげました。とてもよろこんでいました。
ぼくはおじいちゃんと2人で行ったのでまだお母さんと弟と妹とおばあちゃんは見ていません。帰ってお母さんたちに見せたら「スゴイね」と言ってくれたのでうれしかったです。帰ってからかぶと虫をずうっとさわっていたのでおしっこをかけられました。きもちがわるかったけどかぶと虫がとれてうれしかったです。
(二○一四年 九月二日)
【コメント】
作文で書いてもらいましたが、まるで詩のようだと感じました。最後の段落には、「ずうっと」という表現があります。これが「ずっと」ではないところが、味だなと感じました。
自分の興味を書き残して伝えようとするその一途さに、心を打たれました。また、見知らぬ一年生の子と自然と溶け合える親和性には、私も小学生時代のことを思い出しました。そして、「一年生の子はまだとっていなかったので」という、いつしか芽生えた友誼には、一期一会特有の温かいものを感じました。
これは、何度も、読んで味あうことをしないと、もったいない詩だと思います。
こうして書き残してくれると、いつかまた、その頃の情景がよみがることもあるだろうと思います。
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