浅野です。
今回限りで一人の生徒がこのクラスをやめることになりました。送別会を兼ねて、希望の多かったモノポリーをしました。
ゲームを始める前に、「電卓はいくつありますか?」とY君から聞かれました。紙幣をやりとりするのではなく、この前R君が持ってきてくれた香港版のように数字だけでやりとりをするほうが速くできるという意図のようです。言われてみれば専用の機械がなくても電卓が人数分あればそれは可能です。ただし画面が消えてしまう恐れがあるので、なるべくメモリー機能を使って計算するように助言しました。
みんな交渉は妥当な提示をすることが多くなってきました。それぞれ好みのカラーグループがあるようで、K君はダークパープルやライトブルーといった低額の土地、I君はグリーンやダークブルーといった高額の土地、R君はライトパープルやオレンジといったその中間の土地を好むようです。
今回は3人プレイのため流通資金量が少なく、安定した展開となりました。時間制限があるので将棋の駒得を狙うように細かな利益を積み重ねる戦法が有効です。そしてY君はそれが得意です。今回もしっかりと利益を積み重ねて勝利しました。これは実力での勝利です。
I君やK君に勝機がなかったのかというとそうではありません。I君は高額な土地を手にしていたので資産はありました。もっと交渉をうまくすれば安値でそれらの土地を手に入れられたでしょう。K君はライトブルーの独占を完成させていたので、ここに集中して資金を投下して家やホテルを建てれば勝てました。家も資産になるのですから、破産しない程度に家は建てるべきです。
I君はモノポリーの攻略法を見てきたらしいです。みんなまだまだ向上の余地があるので、攻略法を勉強すると楽しくなるでしょう。
お書き下さった記事を読み、フライング情報ですが、今亮馬先生が「山びこ通信」のために書いておられる原稿のことをとっさに思いうかべました。一言言及すると、「よく遊び、よく学べ」という言葉を引用しつつ、亮馬先生はいかに「遊び」が大事か、熱く語っておられます。このクラスで実践されている(されてきた)さまざまな知的取組は、世間に流布する電気仕掛の遊びとは異なり、個々の生徒の「創造性」や「知的精神」をフルに発揮させる点で、理想的な「遊び」(=学び)の取り組みになっていたものと思います。今後、休会されるお子さんが、ここで経験し体得された、「現状を打開するために知恵の限りを絞る」ことによって、将来様々な困難を敢然と乗り越え雄飛されることを願ってやみません。