福西です。
昨日は、M君がやって来るなり、「ほととぎす! なきつるかたを…」と言うので、早速それを披露してもらいました。お家で覚えてきてくれたのですね。続いて「私も言えるよ!」とRちゃんが和してくれました。
今までのおさらいをしました。
- 目には青葉 山ほととぎす 初がつお 素堂
- ひさかたの 光のどけき 春の日に しづこころなく 花のちるらん
- 春すぎて 夏きにけらし しろたえの ころもほすちょう あまのかぐやま
- ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの 月ぞのこれる
- 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
今回は、一つ一つ、前に出てきて暗唱してもらいました。そして何も見ずに言えたら「合格」としました。
全部花まるでした。
これまでで五つしたことになりますね。
だいぶ自信を持って言えるようになってきました。おさらいの時には、普段は私が先に言ってから生徒たちに復唱してもらうのですが、M君が「先生子供になって!」と言うので、「よし、じゃあ二人が先に言ってから、私が後に言うことにしよう」と、順番を変えてみました。
二人が先生の役。ちょっと緊張。二人がはっきり言ってくれたのを聞いてから、私が復唱。
ほんの数分の出来事でしたが、三人で「ホッとして、ニコッとなる」、そんな貴重な時間が生まれました。
そういう変化球を楽しめるのも、今でこそ自信を持って言えるようになったからですね。
おさらいをした後、今度は俳句作り。
その俳句の題材を探しに、庭へお散歩に出かけました。
玄関を開けた時、Rちゃんが「さいている むらさきいろの ニチニチソウ」をまた思い出して、それを「きれいだな むらさきいろの…」と変えて詠んでいました。季節の変化で、あの時そこにあったニチニチソウは、今は葉っぱだけになっています。けれどもまたRちゃんの声がしました。
「あ、青いあじさいが咲いてる」と。
そこで、
「きれいだな 青いいろの あじさいが」
としていました。
この日書いてくれた、M君の俳句です。
ありみたり ブランコゆれる はるのかぜ
あじさいを はっぱにうつる この目あり
はをみたり とりのなきごえ はるの日に
「ありみたり」の句は以前から思いついて、温めてくれていたそうです。情景としては、ブランコにおなかで寝そべった状態で乗っていて、地面と目が近い様子です。だから蟻が目に入ってきたのでしょう。ブランコは自分の体重で揺らしているわけですが、それをあたかも春の風が揺らしているように感じられるのがいいですね。
2句目の「あじさいを」は、結句で「この目はな」とするか、「この目かな」とするかで迷った後、「この目あり」としていました。
3句目の「は」は、葉のことです。目の情報だけではないことが、「おや!」と思わせます。
「~みたり」というのは、以前の「つきみたり ながれるほしの よるのそら」から続いている、M君ならではの型です。思う存分、「我が道」を行ってください。
Rちゃんの俳句です。
きれいだな 青いいろの あじさいが
つゆの日に 長ぐつあそぶ 水たまり
すべりだい すべるとこわい はやいから
ブランコは たかくあがる すずしいな
たいくがすき 8だんとべる たてにがて
1句目は、以前の「ニチニチソウ」と変わって、「今度はあじさいを発見した!」という句です。
2句目の「つゆの日に」は、最初は「水たまりであそぶ 長ぐつ」と、5・9・4となっていたものです。そこで、語の順番を変えることでおさめました。長ぐつが遊んでいるというのに、詩情がありますね。
次の三句は、体育が好きということからひねってくれました。「たいくがすき」としているのは、「たいいくがすき」とすると字がおさまらないので、そうしているそうです。実際、Rちゃんは学校でも体育のある日は、とても気持ちが弾むそうです。2年生で8段が跳べるって、すごいですね。(ちなみに「逆上がりもできる!」と、この日はお庭で披露してくれました)