「山びこ通信(2014年春学期号)」より、クラス便りを転載致します。
『ロボット工作』 担当:福西亮馬
今学期は、新しく中学1年生のMちゃんを1人クラスに迎え、中学3年生のR君と2人で取り組んでいます。
R君の方は引き続き、これまでに自作したロボット・カーの改造をしています。そして今回、仕様を考えてきてくれました。「小型カメラを取り付けて、無線による操縦で外を走らせたい」というものです。今はその仕様を実現することに取り組んでいます。
もう一人の中学1年生のMちゃんは、「動く物がけっこう好き」とのことです。そこで、ロボット工作の入門として、「ミュウロボ」を使って取り組んでいます。まずはハード面です。キャタピラを使った足回りの組み立てに多少苦戦しましたが、その分、自分の思うデザインに仕上がったことが一つの満足のいく成果でした。一方、ソフト面では、「前進」や「後退」、「時間指定」による制御といった、簡単なプログラムを書くことから入っています。最近ではセンサーにフォト・リフレクタを取り付け、ライントレースに挑戦しようとしています。そこでfor文やif文を使ったプログラムを紹介し、ハード・ソフト両面で次第にロボットを成長させて行くことができればと考えています。
さて、これはR君との思い出です。この間、夜の帰り道に、ロボットのリモコンに使っている無線機の親機と子機を、R君と私とで持ち、信号の飛距離を実際に試したことがありました。山の石段では木々が遮蔽物となってすぐに電波が途切れてしまいましたが、山の下の道路では、直線距離で150mほど届きました。(地理が思い浮かぶ方は、山田町へ曲がる道の手前から、御蔭通りの交差点を渡った所までです)。
送信ボタンを押すと、相手側の受信LEDが光ります。お互いに2回光ったら、2回押して合図を返すというように、あらかじめ決めておきました。そして夜道を一歩ずつ離れて行きました。手元のLEDが光り、次に、向こう側でも光るのが目視できました。暗闇に灯る小さな点が、実に頼もしく感じられました。またそれと同じくらい、途中から「あっ」と信号が途切れて、応答しなくなった瞬間が、とても惜しく感じられました。そのような実験をしながら、夜の路上を30分ぐらい行きつ戻りつをしていたと思います。
そのようなことが、またいつかR君の方でも思い出の断片となってくれていたならと、その時の私には思われたのでした。
いつもRが大変お世話になっております。
無線機の実験のこと、R曰く、「思い出の断片なんてものではない!」とのことです。よほど楽しかったんだと思います。
15歳になろうとしている今、幼稚園でどろだんごをつくったり、虫を観察していた時と同じ気持ちで向き合えることがあるということは、とても幸せだと親子で感じています。
今後ともよろしくお願いいたします。
福西です。R君のお母さん、コメントをありがとうございます。
普段寡黙なR君が、無線機の実験のことで、そんなふうに思っておられたとは、私もそれを知って嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいです。お伝え下さったことに、重ねて感謝申し上げます。