0527 山の学校ゼミ(経済)

百木です。

今週の時事ニュースでは、直接的には経済ネタではないのですが、タイのクーデターを扱いました。

タクシン派と反タクシン派の対立など、僕もよくわかっていなかったのですが、一緒に新聞記事を読み進めるなかで、おおまかな構図がわかってきました。またIさんは国際情勢などにも詳しいので、いろいろと解説をしてくださったので助かりました。ベトナムでの反中国デモや、ウルムチでのテロ事件など、最近はアジアでいろいろときな臭い事件が多いですね。わが国でも集団的自衛権の解釈変更が決定され、ここ数年でまたアジアの国際情勢も大きく動きそうです。

 

経済への影響でいうと、タイには現在、多くの日本企業が工場や支社を構えています。経済規模や成長度合いからしてもタイは東南アジアの大きな拠点のひとつですし、ここ数年、タイが海外企業に優遇措置をとるなどして積極的に誘致をしてきた背景もあります。なので、こういうクーデーターや内紛が起こるたびに、生産や物流が途絶えて苦労をしている日本企業も多いのではないかと想像します。早く情勢が落ち着くといいのですが、ニュースを見ていると、どうやらまだしばらくは混乱した状況が続きそうですね。

 

『国富論』は第5章の「商品の実質価格と名目価格について」というところを読みました。ここでは、いわゆる「労働価値説」が説明されています。商品の価値は人間の労動によって創られるのだ、という有名な考え方です。スミスはこの労働価値説を基本として、商品の価値や貨幣をつうじた交換の仕組みを説明していきます。スミスの分業論や労働価値説の背景には、その前の時代の「重商主義」への批判という意図があり、さらにこのようなスミスの思想がのちのマルクスに批判的に引き継がれていくのですが、そのあたりの経済史・経済思想史の流れなどを大きく解説しました。現代でも労働価値説は通用するのか通用しないのか?などは議論のネタとしてもなかなか面白いところです。