かず1~5年(山びこ通信2013/11月号より)

『かず1~5年』 (担当:福西亮馬)

今学期は「まちがい探し」や「足し算パズル」をしたあと、おはじきを使った「数当て」や「4目並べ」といった切り口で、数の感覚や論理性を磨いています。

最近では、300まで続く「すごろく」を用意しました。私の拙い手描きで、ところどころにドラえもんの秘密道具の絵を配しています。さて、3人の生徒がさいころを1つずつ持ち、「いっせーので」で振って合計を出します。それが1回に進める数です。単純ですが、これが1年生から5年生まで白熱しました。「秘密道具」の場所では、「もう1回振れる」というルールがさらに盛り上がりを見せました。

さて、「300にたどり着くまでに、いったい何ターンかかるか?」というのが、この日考えた問題でした。さいころは3つあります。そこで「最低値はいくらか?」というところから、まず考えていきました。というのも、以前「数当て」をした時に、3人が隠し持っているおはじきの合計が最大でも15のところで、「20」という予想が飛び出したことがあったからです。それで「本当にそのようなことが可能かどうか」ということを、肌で感じてもらうために取り入れたのが、今回のさいころでした。「3──だって、みんなが1を出した時が、一番合計が小さくなるから」と、1年生のS君も含めた全員が、最後には堂々と答えてくれました。

一方、5年生のY君はそれに長じて、最大値の18が出るのは、「さいころが1つなら、6が出るのは、6回に1回。2つなら6×6で、36回に1回。3つなら6×6×6で、216回に1回」ということも突き止めてくれました。それは1年生のS君にはまだ難しい内容でしたが、Y君の説明に2年生のH君は、「なるほど、そうか」と合点していました。Y君は続けます。「それで、もし18ばかりが出たとしても、300を割ったら、だいたい16回。でもそれは、ほとんどありえない」と。こうしてY君は30ターンと予想し、H君は50ターン、S君は40ターンと見積もってくれました。

けれども、実際には「秘密道具」(5マスに1つの割合)に止まることもあって、すでに13ターン目で198まで到達し、あと100ちょっとしかありません。そこで予想を下方修正する必要が出てきて、Y君は18ターン、H君は29ターン、S君は20ターンとしました。それでも3人ともはずれてしまい、25ターンという結果でした。「ああ!」と悔しそうなため息が何度も洩れました。しかしその間、生徒たちが何とか当てようとした努力は、「だいたい10か11のあたりが出やすい!」という経験則を生み出しました。そこでさいころの数をすべて記録したホワイトボードを眺めてみたところ、確かにそうなっていました。つまり、やってみて、数の感覚が掴めてきたというわけです。

理論は事実を裏付けることができます。ですがこうした実験もまた、時に理論を裏付けることができます。学校で習った計算法や、論理的思考を、自信を持って使えるようになってもらうためには、そうした「勘」をできるだけ養ってもらって、数の情緒や、論理的に考える楽しさが根付いていってほしいと願っています。

(福西亮馬)