ことば6年(マウントとジョージのお話)その13(完)

「その12」からの続きです。 今回はYs君の番です。

なんと最後まで書いてきてくれました。(お母さんの「ご飯ですよ」の呼びかけにも応じずに一気呵成に書き上げたのだそうです。)

「そうだ、真犯人は弟だ!!」
 二人は同時にさけんだ。
「でも、どうやってその弟がいる場所をつき止めるの?」
ジョージが言った。
「うーん。」
 二人は考えた。すると、マウントが、
「さっき、警察署に行ったんだから、その近くにいるんじゃないの?」
「あ~確かに。」
とジョージも共感する。
 ということで二人は警察署の周りを探してみることにした。そして、聞きとり調査もしてみた。しかし、いい情報は全然入ってこない。二人はあきらめて近くにある海に行ってみた。
 すると、うしろで、ジェットがついたような音がきこえた。何かと思ってふり返ってみた。すると、そこにあったのはジェットカーだった。しかし、どこからどう見ても完全に未来のものだ。
 二人はあやしいので、そのジェットカーの主はもしかして弟かもしれないとかぎつけて、そのジェットカーに近づき、ドアをノックしてみた。するとウィンドウが開いて中から人の顔が出てきた。その顔は、二人が予想していた通りの顔、つまり弟の顔だったのだ。
 二人は、早速その弟を中から引きずりだし、警察署に連れていった。そして、内容を話し警察に分かってもらうと、取調室に行った。ここで弟VSマウント、ジョージの対決が始まるのだ。

 そして、まず、ジョージが、
「あなたは、お兄さんの相方を殺しましたか」
と言い放った。すると、弟は、
「いいえ。」
とまんざらでもない表情で言った。
「そうですか。本当なんですね。」
とマウントはきつい表情で言った。さらにジョージの反撃は続く。
「それじゃあ、これはなんですか。」
とジョージはマスクとサングラスを見せる。
「あ、それは、兄のものです。」
「ふーん。そうですか。でも、これは兄の方も『これは弟のだ』と、言ってたんですけどね~。何かおかしいですね。」
 ジョージがきっぱりと言う。
「しょうこなんて、いくらでもあるんですよ。そんなものもかん定してしまえば、おわりですよ。どうですか。いつまでも否定してないで、白状すればいいじゃないですか。早く(怒)」
マウントはついに決めた。となりで、それおれのセリフと言うように、ジョージが悔しがっている。
 すると、弟は口を開いた。
「そうと、バレてはしょうがない。このスーパーガンソードでお前らけちらしてやる。《ガンソードブレイバー!!!!》」
 剣が赤い炎をまとい、弟はマウントとジョージに向かって突進してくる。二人はパニックになった。こんな時だれか助けてくれればいいのにと思いながら。そこでジョージが、コオリカチカチヒーハーと唱えた。弟の動きがとまり、二人は安心した。しかし、それもつかの間、その氷をスーパーガンソードの炎はとかし、また、弟が突進してきた。
 もうだめだ。二人がそう思ったその時、弟がなぜか部屋のすみにふっとんでいった。
 そう、二人は助けられたのだ。びっくりして、後ろをふり返ると、そこには双子の兄が絶対に負けない盾をもって立っていた。弟は、兄がかけた操りモクモクイヤッハーという魔法でふっとばされたのだ。そこで弟に本当に闘志がついた。もうスピードで、弟はスーパーガンソードをもって走ってくる。そしてそこに兄に立ちはだかる。ジョージとマウントは恐怖のあまり目をつぶった。マウントとジョージはゆっくりと目を開けた。奇せきが起こっていた。なんと、絶対に負けない盾がスーパーガンソードを受けとめている。そして、スーパーガンソードがふっとんでいる。弟は、気力を無くしてフニャッと倒れている。
 そう、兄が勝ったのだ。
 すぐに警備員がやってきて、「何事だ」と言うと、すぐにその場の状きょうをはあくし警察官を呼んできた。そして、弟は、手じょうをはめられ、たいほされた。
 裁判の結果、ちょうえき、『生がい』となり、ばっきん十五兆八千万となった。そして、マウントとジョージは安心して、裁判所でねてしまった。

 トントントン。マウントとジョージは肩をたたかれておきた。ここは映画館だ。まだ、映画の予告が流れている。まだ始まっていないようだ。
 そう、マウントとジョージはこの二、三分でとてつもないサスペンス映画を夢で見ていたのだ。やっと、これから本当のサスペンス映画が始まるのに。

(Ys君)

『マウントとジョージのお話』(完)

(2014年3月14日)

設定資料
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(「ジェットカー」と「スーパーガンソード」「絶対負けない盾」の設定)

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(魔法:「コオリカチカチヒーハー」と「操りモクモクイヤッハー」の設定)

【コメント】
 以前考え出してくれたアイテムや魔法が次々と飛び出し、犯人の自白から、事件はあっという間に解決へと向かいました。相方のKちゃんに読んでもらい、「この終わり方でいい」という承認を得ました。こうして一つの物語が完成しました。「終わりを与えてくれた」二人に拍手をしたいと思います。
 しかし、事件の発端である店の共同経営者が「見てしまった」という第一の殺人の動機は何だったのか(その6)、またタイムマシンの存在など、謎は謎として残されたままです。(本当にこれが「夢」であれば、夢から覚めたことで、謎解きの必要もなくなったわけですが。しかし、二人が同時に一つの夢を見ていたという「事実」には、もしかしたら二人の背後で、何者かの手が加わっていたのかもしれない…などと、読者はこのあとも想像を巡らせることはできますね)。
 けれどもそれは、もしかしたらマウントとジョージがこの後に観るであろう「サスペンス映画」の中で明かされることなのかもしれません。