サッカーボール作りの続きです。
面の数が分かったので、これで点と線の数も分かります。
前回、求めた式では、
点は、線は(ただしxは正5角形の、yは正6角形の数)だったので、これにx=12、y=20を代入します。
すると、
点の数
と求まります。
同様に、
線の数
です。
ということは、これで、あらかじめ準備しておかなければならない構成要素の数が分かったことになります。
「点」の部分には、3ピンのモスジョイント(間の角が120°のジョイント)を、また「線」の部分には「ひねもす」(紙を巻いたパイプ)を使って作りました。
算数の授業らしく、準備した要素が計算通り「ぴったり」と使い切れれば、実験は成功です。
材料のひねもすは30本渡しておきました。それを各自、必要な90本分に足りるよう、考えて切り分けてもらいました。するとK君は1本を4等分に切り、Y君は3等分することを選びました。
(なので二人の線の長さの比は4:3。その違いから、体積がだいぶちがってきました)
授業中に完成させることはできませんでしたが、残りの部品と一緒に持ち帰ってもらいました。ぜひお家で完成させて下さい。
予想以上に立体が大きくなっていったので、「本当に(本数が)足りるのかな?」と最初不安そうでした。それが面白いところでもあります。90本のひねもすと60個のジョイント、なんとかぴったり使い切れそうです。正5角形を組むところでそれまで「ぼよん」としていた面が「きゅっ」と球面に閉じるはずなので、最後は「おお!」となるかと思います。
ちなみに、分かりやすいと思われる手順では、上の写真にあるように、正5角形をまず作り、そのまわりに正6角形を5つつなぎます。そしてそのまわりに(最初の正5角形と1つ飛ばしの位置に)正5角形を5つ配置し、その間を正6角形で埋めます。(最初の正5角形がへそになるような形ができあがります)。これを1ユニットとします。
それを計2ユニット作り、その間を正6角形でつなげばできあがりです。ただし授業では、6年生たちは端から順につないでおり、そこで試行錯誤を味わっている様子でした。
今回作ったサッカーボールは、化学の世界ではフラーレン(またはバッキーボール)とも呼ばれています。炭素は構造次第で鉛筆の芯のように柔らかくもなり、ダイヤモンドのように固くもなりますが、サッカーボールのように配置されたそれ(C60)も極めて安定なことで知られています。
また点にあたる炭素を60ではなく70に増やしたC70(サッカーボールをカプセル状に引き延ばしたもの)など、炭素数を変えたバリエーション(高次フラーレン)の発見、作り方も研究されているそうです。特に「容れ物かつ繊維」でもある「カーボンナノチューブ」は応用上期待されています。(ただし実用まではなかなか進んでいないそうです)
【参考】
よろしければ拙ブログの方もご覧ください^^(>バッキーボールの作り方)