ことば2年生

高木です。

いつもは中也を読んでいたこのクラスですが、昨日の4年生(A)のクラスと同じく、今日は谷川俊太郎を読んでみました。

   いち

  いちってね
  つまりぼくがね いちなのさ
  ぼくは せかいで ひとりきり

  いちってね
  つまりママがね いちなのさ
  ママは せかいで ひとりきり

  いちってね
  つまりきみもね いちなのさ
  ぼくと きみとで 2になるよ

  いちってね
  だけどちきゅうは ひとつなの
  ぼくと きみとは てをつなぐ

  いちってね
  だからはじめの かずなのさ
  ちいさいようで おおきいな

みんなそれぞれに朗読してもらったあと、今日は少し、詩の意味について話し合いました。
R君は世界にただ一人だけしかいないこと、Y君はかけがえのない存在であること。
「名前が同じ人もいてはるで」――でも顔はちがいます。「顔も似てたら?」――でも心はちがいます。テレビゲームの中では事情は異なるのでしょうが、すくなくともこの世界において、これが自分だと思えるのは、ただ一人なのです。
そして、ただ一人、と言っても、ひとりぼっち、ではありません。ただひとつの地球を大切にするとき、手をつなぐことができるからです。

詩の意味についてみんなで考えたあと、詩の内容を絵にしてもらいました。
Y君は自分やお母さん、地球を抱えた人などを、R君は地球と月、太陽、木星など、やはりただひとつのものを、描いてくれました。R君は宇宙について興味があるらしく、ビッグバンや、星の爆発が別の星を生むことについて話してくれました。僕たちの体も星と同じ材料からできているんだよ、と私が言うと、R君は目を丸くしていました。ぼくは せかいで ひとりきり ですが、みんな つながっても いるのです。

最後に、絵本を2冊読みました。
渡辺茂男/さく・山本忠敬/え「しょうぼうじどうしゃ じぷた」と、磯良一/さく「飛行機にのって」です。
「じぷた」のほうは、比較的文章量が多いのですが、その長さに負けない物語の力がありました。クラスのみんなは、その物語に引き込まれて、非常に熱心な面持ちでした。
「飛行機にのって」のほうは、ある意味「じぷた」と対照的で、文章量はすくないのですが、そのぶんよく描きこまれた美しい絵が印象的でした。文章になっていないさまざまな要素を絵の中に発見し、その発見から物語を作っていく愉しみが、そこにはありました。