高木です。
今日は金子みすゞの「星とたんぽぽ」を朗読しました。
星とたんぽぽ
青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だぁまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
みんなで順番に朗読した後、いつものように筆写に取り組んでいると、R君が「ここはこうやって書いたらいいんやで!」と言って、原文の「昼のお星は眼にみえぬ」の「みえぬ」という部分を「見えぬ」と漢字に改めてくれました。みんながこうして積極的に取り組んでくれるのを、いつもながら嬉しく思います。
今日は、先週読んだ『魔女たちのあさ』と『おうさまだいぼうけん』に、新たに『おおきなかしの木』(エリザベス・ローズ/文、ジェラルド・ローズ/絵、ふしみみさを/訳)を加えた、3冊の絵本を読みました。最後の『おおきなかしの木』は絵が非常に美しい本です。また、千年にわたる樫の木の一生を辿る壮大な物語であり、文章量の多さもかまわず、みんな惹き付けられていました。誰かが隠した宝物が何百年も後に見つかったり、108歳のおじいさんがかつて幹に彫った恋人の名前を覚えていたりと、大きな木にはさまざまな物語が仕舞い込まれていました。
>見えぬけれどもあるんだよ、
>見えぬものでもあるんだよ。
よい詩句ですね。思わず、ラテン語の「雨雲の向こうの太陽」(Post nubila Phoebus)を思い出しました。