高木です。
詩の朗読。今日は金子みすゞの「波」です。
波は子供、
手つないで、笑って、
そろって来るよ。
波は消しゴム、
砂の上の文字を、
みんな消してゆくよ。
波は兵士、
沖から寄せて、一ぺんに、
どどんと鉄砲うつよ。
波は忘れんぼ、
きれいなきれいな貝がらを、
砂の上においてくよ。
このブログを書いている今、気づいたことですが、昨日の4年生のことばのクラスでも、波と砂浜の詩をとりあげていました。期せずして一致したのは、季節の変わり目のせいでしょうか。去っていく波と、去っていく夏が、重なるからかもしれません。
子どもたちは、まだ、比喩表現に不慣れなようです。でも、「なんで子供なの?」といった素朴な疑問から、詩を学ぶ契機が生まれるように感じました。
子どもたちは、まだ、比喩表現に不慣れなようです。でも、「なんで子供なの?」といった素朴な疑問から、詩を学ぶ契機が生まれるように感じました。
以前Y君が毎週自宅から持ってきてくれていた絵本『さむがりやのサンタ』と同じ作者(レイモンド・ブリッグズ)の『おぢさん』という絵本を図書館で発見したので、今日はそれを読みました。
字もページ数も多い絵本なので、すこし躊躇しましたが、ゆっくり読み始めると、非常に熱心に、机の上に乗りだしながら、物語に入り込んでくれました。
>比喩表現に不慣れ
おもしろい発見だと思いました。大人の考えでは、さまざまな先入観にそまっていない(はずの)子どもたちこそ、比喩表現の天才なのだ、という思いこみをしているようです。いわく、子どもは詩人である、と。比喩表現は(当然のことながら)立派な技術なのですね。子どもたちがいずれ「童心を忘れない大人」に成長するため、このような技術に親しむことも大切になると思います。先生と詩を読むことのできる子どもたちは幸せです。