10/22 ことば2年生

高木です。

先週は作文をしましたが、今週からはまた詩と絵本に戻ります。
今日の詩は、金子みすずの「見えないもの」です。

  ねんねした間になにがある。

  うすももいろの花びらが、
  お床の上に降り積り、
  お目々をさませば、ふと消える。

  誰もみたものないけれど、
  誰がうそだといいましょう。

  まばたきするまに何がある。

  白い天馬が翅(はね)のべて、
  白羽の矢よりもまだ早く、
  青いお空をすぎてゆく。

  誰もみたものないけれど、
  誰がうそだといえましょう。

目をつむっている間に何が起こっているか、それは誰にも分かりません。詩を朗読し、意味について触れ、書き取りをした後、R君とY君はそれぞれに、「もしかしたら〜かもしれない」と想像力を自由にはたらかせてくれました。
R君は天馬が空を翔るイメージが特に気に入ったようで、天馬の物語をさまざまに展開してくれました。また、Y君が話してくれたのは、たくさんの花びらに包まれていく人のことです。そこでは人が小さくなって、たとえばフライパンで卵焼きを作っても、小さいものしかできないのだそうです。そんなことがまばたきする一瞬に起こっているかと思うと、なんだか目がぐるぐるしますね。

今日は絵本を3冊詠みました。新しいのはアーノルド・ローベルの『ふたりはともだち』で、あと2冊は馴染みのある『そらとぶテーブル』(佐々木マキ)と『飛行機にのって』(磯良一)です。
『ふたりはともだち』の「おてがみ」という章は、実はいまR君とY君の両方が小学校の国語の時間に読んでいるのだそうです。それで、やはりといいますか、「おてがみ」を読むことになりました。結末を知っているのに、いや、知っているからこそ、もう一度読みたいと思うのは、他の2冊と同様、自然なことなのですね。